ラマダン期、民衆の断食禁止 学生は除籍の処罰も=新疆自治区

【大紀元日本8月17日】今月11日から始まったイスラム教ラマダン。この日から9月9日まで、世界中の敬虔な信者にとって断食と禁欲の1ヶ月となる。しかし、例外は多くの敬虔なイスラム教徒が居住する新疆ウイグル自治区。当局は、現地の教師や学生、国家公務員に対して、モスクでの宗教活動参加およびラマダン行為を禁じるほか、断食を行う学生たちを学校から除籍するなど厳しい処罰を規定している。

12日付けの中国共産党組織部の公式サイトの情報によると、クルグス・キルギス自治州アルトゥシュ市で、11日、同市政府関係者が現地の2か所の清真寺(モスク)を訪問し、安定した情勢が維持されているかどうか視察したという。現地の幹部やモスクのイマームを集めて座談会が行われ、ラマダン期間中に禁止する六つの事項を通達した。

禁止される事項には、▼ラマダン期間中、教師、学生と国家公務員のモスクでの宗教活動参加およびラマダン行為▼宗教関係者が規定に沿わない内容とプロセスでの講経▼政府に求められた資格のない者や、他地区の宗教関係者による現地モスクでの講経▼私設の地下講経所の設立などが含まれる。その他、愛国宗教関係者による宗教指導権の掌握を保証することも強調されている。

同市共産党青年団のある幹部は13日、米RFA放送局の取材に対し、現在、専門職員が少数民族学生の状況について一軒一軒回って調査していることを伝えた。「統一戦線工作部の路線に従い、村の幹部などが毎日、学生のいる家で、断食をさせないよう宣伝している。さらに我々の中から選び出された監督グループが常に監督している」

「学生の断食は許されない。青少年のラマダン断食後、一部の不法分子が彼らの心身を傷つける恐れがあるからだ。また子供は宗教場に絶対に入らせないようにしている」と同幹部は話している。

新疆イリ州のある中学生は、取材に応じて、断食は望んでいるが、規定を破れば学校から除籍され、中国共産党政府職員も家に立ち入り検査をしにくると話した。「もし断食していたら、職員が所持している食べ物を無理に食べさせる」という。

このほか、同市はラマダン月に関連する3つのプロジェクトを推進し、「社会全体で偉大なる祖国に恩を感じる濃厚な雰囲気を形成させ」、民衆の集結や団体陳情の動きを防ぐように幹部たちは各家を見張っているという。

(翻訳編集・坂本)
関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]