大連の港が閉鎖 石油パイプライン爆発で 現地取材も禁止

【大紀元日本7月22日】中国大連で16日に発生した石油パイプライン爆発・炎上事故で、約1500トンの原油が海に流出、約430平方キロメートルの海域汚染されたことが中国国内メディアの報道で明らかになった。同港の9割近くの停泊地が閉鎖され、20数隻の処理船が24時間体制で原油の除去作業を行っている。関連政府機関は、除去作業には約1週間かかるとみている。

一方、中国宣伝部は20日、国内各メディアに内部通達を出し、今後同事件に関する報道は全て新華社の報道のみを転載し、各社独自の現場での取材を禁じるとの情報が中国国内メディア関係筋により伝えられている。

16日の爆発による炎上は20数時間続き、原油が海に流出した。それに加え、現場海域で強い風が続いたため、汚染がさらに拡大したもよう。中国海洋監督船19日の観察によると、汚染された海域はすでに430平方キロメートルに達した。

遼寧海事局は汚染海域で約7千メートルの長さの柵を敷設、19日から20数隻の処理船を出して、原油の除去作業を始めた。現場作業員によると、海面に浮かぶ原油の厚さは1メートルに達するところもある。

今回の事故により、9割近くの停泊地が閉鎖されたため、影響はかなり大きいと指摘されている。韓国「聯合ニュース」によると、大連新港が回復するまで10点xun_ネ上かかると見られ、韓国の貿易商社は出荷のための停泊地探しに手を焼いているという。

大連新港は中国第二のコンテナ中継基地で、国内最大のガソリン輸出港であるほか、中国最大の緊急用原油備蓄基地でもあり、約300万立方メートルの政府用石油を備蓄している。港の閉鎖は、鉄鉱石や食糧の輸出入や、原油の輸入とガソリンの輸出に影響を与えている。

また、同港は中国の石油大手「中石油」の最大の商業用原油備蓄基地で、同社は大連市に2つの石油精製工場を持っているが、そのうちの一つは事故後、一日あたりの生産量を数千トン減らしたという。

報道によると、事故現場から半径3キロ以内には人が住んでいない。大連市の政府関係者は、汚染された海域には、水産養殖業はないと公表した。

事故原因について、大連市安全監察局の副局長・孫本強氏は、メディアが報道している外国籍のタンカーが爆発を引き起こした根本的な原因ではないと説明している。以前から、同保税区域の原油貯蔵施設は密封式管理を行うべきだと提案していたと話し、事故は管理の不備によるものだと示唆した。

中国経済紙「21世紀経済報道」20日付けの報道によると、今回爆発事故の起こった大連新港は2006年国家環境総局が発表した「リスクのある石油化学工業環境」の査定報告にリストアップされていたという。同港が位置する大孤山半島では、五つの石油化学企業や原油貯蔵基地などが、同じくリスク査定のリストにあがっていたという。

一方、中国国内メディア関係者からの証言によると、メディアを管制する最高指導部の「中央宣伝部」は国内メディアに内部通達を出し、本件の関連報道は一切、国営通信「新華社」の報道に準じなければならないと指示し、各地のメディアによる事故現場の独自取材を禁止すると命じた。

(翻訳編集・叶子)
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