アルミニウム工場を襲撃 広西省で大規模群集事件、21人死傷か
【大紀元日本7月16日】中国南部の広西チワン族自治区の百色市靖西県の農村で、7月11日午後から、現地のアルミニウム工場の道路建設に反対する住民数千人が、県政府に対して集団抗議事件を起こした。大量の武装警官が出動、発砲などで抗議者を威嚇した。13日、村民らは再び県政府所在地に集まり、抗議者数は1万人にも上り、デモ抗議を続けている。
また、12日、怒りの村民らがアルミニウム工場を襲撃、これによって、工場側の従業員3人が死亡、18人が負傷したとの情報も伝えられた。
今年3月、現地の大型化学工場「広西・信発アルミニウム工場」が厖凌村周辺で製品運輸用の道路を建設した。工事により地下水路が塞がれて川の水が溢れ出した。厖凌河上流の400世帯余りの住宅が水没、下流の村には水が流れなくなり、生活用水と農業用水が断ち切られた。一方、工場側と現地政府は一向に問題の解決に取り組まないため、家を失った村民たちはテントなどを張って生活してきた。
「雨が降るたびに、河の水位が急激に上昇する。これから、水没の被害を受ける村民はますます増えるはず」と村民は話す。
7月11日、工場側は村周辺で新たな道路を建設しようとした。反対する村民は工事を止めに出た。双方が激しく対立、工場側は従業員と用心棒300人余りを動員して、村民らと暴力衝突した。村民らは工場を囲んで、石や手製の爆弾を投げ込んだりしていた。
参加したある村民は、本紙の取材に当時の状況を次のように説明した。「その後、大量の武装警察が現場に出動した。彼らは私たちを止めるのだが、工場側の人の暴行を阻止しようとしない。本当に怒り心頭だ。そのような状況の中、周辺の村の村民も応援に駆けつけてくれた」
また、地元政府が住宅の水没問題を一向に解決しないのは、村でダムを建設したいためで、これを契機に村民を現地から追い出そうとする企みがあると、村民は推測した。
一方、村民と工場側の対立は本件だけではないもよう。同化学工場は長期にわたり、村の水源を汚染していると、村民は指摘する。
工場の汚水に汚染されたという河(ネット写真)
村民の証言によると、11日、村民たちが上級政府機関に集団請願を試みたが、大量の武装警官に止められ、その過程で警官が発砲して村民を威嚇した。
12日、800人余りの村民が再び工場を襲撃、従業員3人が死亡、18人が負傷した。
情報によると、各地に出かけていた出稼ぎ労働者も、騒動後次々に帰郷して、断固として村を守ろうとしている。その人数は300人余りに達するという。村民は、「我々の目的は一つ。この化学工場をここから追い出すことだ」と語った。
13日、村民らは再び県政府所在地に行き、「我が土地を戻してくれ」などと訴え、抗議デモを行った。参加した村民は1万人を超えた。
いま、地元の武装警官が全員出動して工場の警備に当たっており、300人余りの武装警官が村の出入り口を見張っているという。