【大紀元日本7月7日】中国北京試験区理科“状元”(最優秀成績者)の李泰伯さんは最近、アメリカへ留学しようとハーバードを含む米名門11校への入学申請を行ったが、全校から拒否された。一方、中国で「問題児」と見なされた女子生徒がアメリカで「優等生」と評価されたという例がある。創造性を育てるアメリカの教育と、標準回答を要求し、暗記重視の中国の教育。この二つの違いが、中国国内で話題となっている。
中国の“最優秀”生徒が、米名門校の入学申請に「全敗」
中国人民大学附属中学に通う李泰伯さんは、総得点703(満点720)で北京の理科「状元」を獲得した。彼は学校の生徒会長を務めるほか、全国高校数学リーグ北京地区で3度も優勝するほどの麒麟児。しかし、李さんはハーバードを含む米名門11校への入学申請を拒否され、彼の「全敗」に同学校関係者は驚いている。
「拒否されたのは、申請書の書き方に不足があったからだと思う。英文CR(Critical Reading)と英作文の得点が低く、米国数学オリンピックAMC-AIMEの成績があまり良くないことも原因じゃないか」と李さんは話す。李さんは、成績に原因があると考えているようだ。
米国では大学入学を申請する学生に対し、複合評価システムを採用している。大学入学試験(SAT)の成績のほか、通常の学業成績も判断材料になる。それには個人ならではの特技やボランティアなどの社会貢献、教員からの評価なども含まれる。
中国での「問題児」が米国で優等生に
李さんのケースとは逆に、中国で「問題児」と見なされていた女子生徒が、アメリカで「優等生」と評価された例がある。数年前にネットの記事にあった父と娘の受験勉強に関する話だ。
その親子は、中国の大学での面接試験で「標準解答」を吐き出せるようになるまで、日夜特訓を重ねた。高二の時、先生に「数学に向いてない」と言われ、文科系を選んだ。娘の成績が良くなかったため、父親は教師に呼び出されたこともあったという。娘の勉強を手伝うため、父親は常に教師と連絡を取っていた。ある日、娘はうつむいてこう言った。「お父さん、わたし勉強が嫌になっちゃった」
しかし、娘の勉強に対する姿勢は、3ヶ月間の米国留学で体験した「創造性を育てる」教育で一変した。それは、「模範解答」の暗記から解放され、資料収集能力と、根拠ある独自の観点を重視するというものだった。観点が正しいかどうかなど、心配する必要もなかった。
米国の教育と中国の教育の違いについて、彼女は「先生が違う。アメリカの先生はとても親切で、フレンドリー。試験が終わった後、先生は互いに評価することを促すけれど、中国ではただ成績が告げられるだけ。中国では丸暗記しなければいけないけれど、米国では思考能力が問われ、自分の考えをうまく伝えることが大切」と指摘する。
「東洋人は肩書きを重視するが、アメリカの大学は単純に成績を見るだけではなく、さらに学生の総合的な素質を評価する」と、留学斡旋業の関係者は話す。中国の面接試験では、あまり自分の意見を述べず標準的な解答をすることが良い評価に繋がる。学校や教育システムの違う世界では、生徒に対する評価の仕方も180度違うのだ。
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