流行語で読み取る激変の中国(30)

【大紀元日本4月7日】対聯(ついれん=対になっている掛け軸)も詩や駢儷文(べんれいぶん)と同じように、字音の平仄や字義の虚実を考えて対句を作るのである。対聯は、正月の間に入口に張るものとして書かれるものだけでなく、普段にも文人墨客たちの好みとして詠まれたり贈答されたりする。

激変している中国では今、ありとあらゆる文芸ジャンルも、ストレス発散または体制を批判する武器として活用されている。流行語「和諧社会」も「対聯」の形式で創作された、その類いのものである。

対聯なので、前の句と後の句はそれぞれ対になっており、それによって独特な味を醸しだしている。たとえば、本文の中では、「中央」に対して「地方」、「上級」に対して「下層」などなどである。

本文の中で、「馬到成功」と「水到渠成」はよく言われる成語であり、「馬到成功」とは馬で乗りつけたらすぐ勝利するという意、「水到渠成」は水が来れば、溝はできるという意で、すなわち時期が熟すれば事は自然に成就すること。

中国は今、「和諧社会の構築」が大々的に宣伝されているが、この流行語は「調和社会の構築」の一角を示している。

原語:和諧社会

中央機関出上聯:

上級圧下級、一級圧一級級級加碼馬到成功。

地方政府対下聯:

下層蒙上層、一層蒙一層層層摻水水到渠成。

日本語訳:調和社会

中央政府は前の句を出した:

上級機関は下級機関を抑え、一級は一級を抑え、

各級でも圧力を加えており、圧力があれば成功するものだ。

地方政府は後の句を応じた:

下部は上部を欺き、一層は一層を欺いて、

各階層でも水を増していき、水増しすれば事は成就するのだ。