【大紀元日本3月22日】
自宅教育のオプション(1995年)
周りに合わせながら教育することのできないバイリンガル子育て。敷かれたレールは存在しない。子育ての途中で、いろいろなケースを耳にした。
中でも感心したのは、イギリス人女性と日本人男性のカップルの話。二人の息子をバイリンガルで育てるため、自宅教育することにした。お父さんは日本語で算数と体育。お母さんは英語で残りの科目。夫婦で休みの日をずらして取るようにして、お母さんが働く日は、体育と算数の授業となるわけだ。上の子が小学校の高学年、下の子が低学年のかなりのところまで、この体制で自宅教育したとのこと。
知り合いに聞いて、イギリス人の奥さんの方と電話でお話をうかがわせてもらったのだが、イギリスでは自宅教育の申請は簡単で、「親が教育します」と申し出ればいいとのこと。学年ごとのカリキュラムが送られてくるそうだ。そして集団生活に欠けてしまう点をサポートするために、他の自宅教育の家庭との交流の場も設けられているらしい。ジプシーの子供とかと交流できて、興味深かったと語ってくれた。ジプシーは定住しないので、子供を地域の学校に通わせることが難しいのだろう。
学校に通い始めたとき、上の子が「算数のやり方が違う」と戸惑っていたが、親が手塩にかけただけあって、成績も抜群とのことだった。
他にも、学校教育に失望していたり、自分の中に強い信条をもっている人が、自宅学習や自主的に形成された「学校」に通わせているということを耳にした。
娘を学校に通わせないで、日本語で教育するというオプションもあったのだろうが、自宅教育にしたら「いったい親はいつ休むの?」という疑問が横切り、学校に替わって全教科を教える力量も、 私には 到底ないため、普通のイギリスの教育を受けてもらうことを選択した。
(続く)
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