米企業、検閲ソフトの著作権侵害で中国当局らを提訴 日本PCメーカーにも波及
【大紀元日本1月9日】5日、米国カリフォルニア州のソフト開発会社が、フィルタリングソフト「グリーン・ダム」の著作権侵害問題などを理由に、中国当局や中国のソフト開発企業2社などをロサンゼルス連邦地裁に提訴した。
原告であるサイバーシッター(Cybersitter)社は、「グリーン・ダム」のソフトは、同社のフィルタリングソフト「サイバーシッター」から3000行以上のコードをコピーして開発されたと主張。中国当局がPCメーカーと提携して、5600万以上のコピーを使用者に配布したとして、著作権侵害などで中国当局やPCメーカーに22億ドルの損害賠償金を要求している。
被告には、中国当局と「グリーン・ダム」を共同開発した中国企業2社のほか、出荷時のパソコンに同ソフトを搭載しているとして、ソニー、レノボ、東芝などパソコンメーカー7社の中国現地法人も対象になっている。
中国当局は昨年7月、未成年者によるポルノなどの有害サイトへのアクセスを防ぐことを理由に、出荷時のパソコン(PC)全製品を対象に、メーカーに検閲ソフト「グリーン・ダム」の搭載を義務付けようとした。その後、国内外から、情報の検閲、商業上の不公正など、強く非難されたため、同ソフトの搭載義務は先送りとなった。一方、全国の学校およびインターネットカフェでは予定通りに搭載された。
昨年6月、中国当局が搭載の義務付けを発表する前、サイバーシッター社が「グリーン・ダム」にはコード盗用の疑いがあると表明していた。
PCメーカーは、「グリーン・ダム」の著作権侵害問題を知りながら、数百万部のソフトのコピーを販売したと、サイバーシッター社は主張している。
サイバーシッター社の代弁を務めるギプソン弁護士は、BBC中国語放送に対して、同社は訴訟を提起する前に、各被告に連絡を入れ解決方法を探ったが、「適切な対応が得られなかった」と語る。
同社は中国当局が「グリーン・ダム」のダウンロードを世界中で可能にしていた時期があったとして、米国での訴訟の有効性を主張している。