中国工場製品よりメラミン検出、英大手製菓企業自主回収

【大紀元日本10月3日】有毒粉ミルク事件で、各国メーカーが相次いで商品回収が行なわれる中、新たに海外メーカーが商品回収に踏み切ったことが明らかになった。英国大手製菓企業キャドバリーは、中国北京で製造しているチョコレート商品からメラミンが検出されたことを明らかにし、9月29日に中国、香港、台湾、オーストラリアで製造している11種類のチョコレート商品の自主回収を行なった。

英BBCによると、今回回収したキャドバリーの商品の中から検出されたメラミンの含量はまだ不明だという。キャドバリー社のスポークスマンは、メラミンが検出された同社商品は中国工場で製造されたもののみだと強調し、他の国で製造している商品は問題になっていないと主張した。

キャドバリー社アジア環太平洋地区支社が香港で製造している同社商品の自主回収を行なった声明に対して、香港食物環境衛生署食物安全センターは、自主回収は予防対策であるとの見解を示した。

一方、キャドバリーのシンガポール事務所は、「今回は中国製造の同社商品からメラミンが検出されたことで、各界からわれわれの製品に不安と疑問を抱く結果をもたらした」とのコメントを示した。

キャドバリーは1週間前に、中国国内で調達している3箇所の原料供給先の原料から、メラミンは検出されなかったことを明らかにしたばかりだった。

メラミン含有する粉ミルク事件で中国国内では5万3千人の乳幼児腎臓関係の疾病をもたらし、香港およびマカオはこれまでに2人の乳幼児が有毒粉ミルクによって腎臓結石に罹ったことを発表した。

今回の事件で影響を受けた企業は中国本土のほか中国国内に生産工場を持つ有名ブランドのメーカーをも含まれている。例えば、韓日楽天企業のチョコレート・パンダクッキーおよびスイスのネスレ社の乳製品。

一方、キャドバリー社が商品自主回収を行なった同日、今回の有毒粉ミルク事件に関わる大手「三鹿企業グループ」所在地の河北省警察当局は、地元でメラミンを製造、販売、使用しているグループの摘発を発表した。警察は石家庄で拘束した22人の内、19人が牧場やミルク生産に関わる会社だったことが分かった。河北省警察はこのグループこそが「三鹿」へ問題の原料を供給した源だと主張している。

これまでの報道によると、「三鹿」は今年の6月にすでに粉ミルクにメラミンが含有していることを知っているという。このことによって、人々は関係当局が事実を隠蔽しているのではと新たな疑問を抱くことになったという。

(翻訳編集・余靜)