2030年までに中国の水資源消尽=国務院発表

【大紀元日本12月22日】中国で近年、異常気象が発生し、同じ季節において、多くの地方で洪水が発生する一方で、多くの地方で深刻な干ばつが発生している。洪水や干ばつが頻繁に発生することで、中国の食糧の減産、インフレが引き起こされているほか、中国人民の生活が深刻な脅威にさらされている。

先日、中国国務院弁公庁は、地球の温暖化に伴い、中国における利用可能な水資源が2030年までに消費され尽くすとの警告を発した。官製メディアの「人民日報」が最近発表した論説においても、干ばつはすでに国民の日常生活に影響を与えている可能性があるとの警告が発せられた。中国は、世界の水資源の7%を占める一方、世界の総人口の20%を占める中国人に水を供給しなければならず、このことから、水資源の問題が日増しに深刻化している。

先日公表された、中国の物価上昇率の数字を見ると対前年比で6・9%の上昇であったが、このうち、野菜価格は28・6%の伸びを示した。また、干ばつが深刻な地区における野菜価格の上げ幅は更に大きくなっている。

中国広西省は、秋・冬で、5年連続の干ばつが発生している。干ばつによって、現在419個、全体の10%のダムが枯れ、1900余りの機械式井戸が、出水量の不足または水の汲み上げが不能になっている。干ばつが発生しているのは、82の市・県であり、うち25の市・県が深刻な状態にある。また、23万ヘクタール分余りの農作物が干ばつの被害を受け、109・8万人の住民及び49・6万頭の家畜の飲水が困難になっており、一部都市においては、水の供給状況が著しく逼迫している。

広西省のほか、江西省、湖南省、湖北省、広東省、貴州等の省においても深刻な干ばつが発生している。長江は、50年来で最も深刻な干ばつに遭遇しており、多くのルートが航行不能になっている。長江中流の宜昌、沙市、漢口、九江等においては、水位が航行基準面以下となっており、窑監、太平口、牯牛砂等10余りの浅水地においては、40余りの船舶が相次いで座礁する事故が発生しており、大規模な浚渫なしにスムーズな航行を保障することが困難になっている。

このほか、中国最大の淡水湖である鄱陽湖は、降雨量が例年の1割前後であったため、湖面面積が、増水期の正常な面積の60分の1にまで縮小している。南方の他の地区においても、人畜の飲水が困難になっている。

こうした、大規模かつ持続的に発生する局地的な干ばつは、中国の経済全体に大きな衝撃をもたらす可能性がある。

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