化学精錬工場付近で、村民千人以上が鉛中毒=中国湖南省

【大紀元日本11月18日】中国湖南省邵陽市洞口県石江鎮で最近、大勢の村民の血液から国の基準を超えるが検出された。現地の鉛合金精錬工場による汚染が疑われ、村民らが現地政府への陳情を繰り返し、抗議行動を行ってきた。現在、工場は操業を停止している。

香港紙「太陽報」によると、今年8月末、石江鎮の幹木村と周辺の3つの村で、児童が腹痛、吐き気、脱力、食欲の低下、反応が鈍いなどの症状を現し、急激に痩せる症状なども出ているという。現地の病院が検査した結果、4つの村で千人以上の血液から国の安全基準100mgを超える鉛が検出され、その大半は未成年者である。そのうち2人の児童の血液鉛含有量は安全基準の3倍に達し、鉛中毒と診断された。

現地では、鉛中毒の治療費用が高く、今回のケースで平均1人の児童患者が1千元(約1万5千円)以上の治療費を費やした。生活が決して豊かでない親たちは悲鳴を上げ、窮地に立たされている。

現地の養鶏業者によると、鉛による汚染がささやかれてから、鶏の売値は約3割も下がった。

村民たちは、今年6月から現地で操業し始めた鉛合金の精錬工場が汚染源と疑っている。村民からの情報によると、この工場は毎日深夜から翌日の朝方まで、白い排気ガスを排出している。その煙が山の谷を沿って村に流れてくる。工場付近の村では、樹木が1万本以上枯れてしまった。また、村民らが自主調査した結果、現地に移転される前の工場でも、昨年、従業員2人が死亡したという。死因は鉛中毒と疑われている。多くの従業員は深刻な鉛中毒を患っているという。

村民は現地政府に対し、工場の閉鎖を繰り返し要求してきたが、相手にしてもらえなかった。そのため、9月上旬に村民が工場を包囲し、抗議活動を行い、操業の自粛と被害者への損害賠償などを求めた。その間、双方が衝突し、3人の村民が暴行を受け負傷した。10月中旬から、工場は操業を停止した。

一方、現地の環境保護局の幹部は、鉛中毒の事実を否認し、村民の過敏反応であると主張しているが、児童を中心に大勢の村民の血液から安全基準を超える鉛が検出されたことについて、原因究明できないでいる。

現地の村民は、この環境での子育てに不安を抱いており、我が子を他の地域に移住させている。現在、残された児童は約4割弱しかいないという。

(翻訳・叶子)
関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。