「氷点」元編集長・李大同、汪兆鈞の公開状は「多くの中国人が言いたくても言う勇気がない真実」

【大紀元日本11月12日】中国安徽省政治協商会議常務委員・汪兆鈞が発表した公開状は国内外各界の関心と注目を集め、支援の声が寄せられた。「中国青年報」の週刊誌「氷点」元編集長・李大同氏が11月7日に本紙の取材を受け、汪兆鈞氏の公開状で言及した問題はすべて敏感な、現実的な、とても重要な問題であり、多くの中国人が言いたくても言う勇気がない真実であると述べた。

汪兆鈞の公開状は、中国の経済、社会、政治、環境、信仰、人権、ニュースなど各方面の問題を明言した。李氏は「すべての人は言いたいことを素直に言うべきだ。胡錦涛主席は十七回党大会の報告で表現する権利を宣言した、汪兆鈞氏今回の公開状は胡錦涛主席が提起した表現する権利に対する実践である」という考えを示した。

汪兆鈞が公開状を出す理由に関して、李氏は「敏感な問題を提起することできるかどうかは個人の品格に左右される。汪兆鈞は正義感がある国民である。公開状を出すことは大きな社会的な背景があり、彼はきっと民間の叫び声を感じたはずだ」と分析した。

汪兆鈞は公開状で、法輪功に対する迫害を止めるように呼びかけ、そして弾圧を決めた人に刑事責任を追及するよう要求し、これは今最も大事なことだと明言した。李氏はこの考えに賛同を示した。李氏は「国家機関を利用して、全国範囲で法輪功に対して弾圧を行うことは、法律的な根拠がなく、明らかに憲法違反の行為である。弾圧者の刑事責任を法律に基づいて追及すべきだ」と述べた。

李氏は「何でも共産党の言いなりに従うのは、おかしい!『法律に基づいて国を治める』とある。『法律に基づく』というなら、法輪功がどんな法律に違反したかをはっきり説明しなければいけない。しかも、起訴などの訴訟手続きをしなければいけない。裁判もしていないのに、1つの団体が法律を犯しているというのは、相当おかしい問題である、必ず訴訟手続を通らなければならない、このように法律を無視することは明らかに問題がある」と強調した。

汪兆鈞の公開状で言及した「これが明らかに法輪功だけではなく、全国民への弾圧である」という言い方に対して、李氏は「法輪功を弾圧することにより、社会全体に大きな影響を与えた。誰か一人の国民に対する不法侵害は国民全体への不法侵害となる。一人の国民が、だれかが不法侵害をされているのを無視すれば、いつか自分が不法侵害に会っても無視されてしまう」と賛成の意を表した。

現在の中国の社会問題について、李氏は「真実を語る勇気のある者はまだ少ない。だから、その勇気を育ててあげる必要がある。もちろん、一晩で全員が勇者になることは不可能である。ゆっくりと民衆に自分自身を変えさせるのだ。いままで何かあった場合ほとんどの人は何もせずに待っていただけ、それはいけない。法治国家なら、国民自身が自分の権益を守らなければ、誰が守ってくれるというのか」と指摘した。

昨年初め、民衆の生活に注目し腐敗問題を非難した「中国青年報」の週刊誌「氷点」が中山大学教授・袁偉時の文章「現代化と歴史教科書」を掲載したことで、中央宣伝部に廃刊させられた。以来、国内外の批判の声は絶えなかった。編集長・李大同氏と副編集長・盧躍剛氏は復刊を要求し続け、注目の焦点となった。毛沢東の元秘書・李鋭氏を含む多くの元中国共産党高官、編集長、弁護士などが応援し、厳しい非難の声の中で、「氷点」は編集スタッフを入れ替えた後で復刊した。李大同氏と盧躍剛氏は免職され、「中国青年報」の新聞研究所に異動させられた。

(記者・辛菲、翻訳・侍傑)
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