携帯ショートメール好む中国人
【大紀元日本11月10日】現在、中国は、世界最大の携帯電話市場であり、数億人の携帯電話利用者が、毎月約330億通ものショートメールを送っている。中国人が好むのは、より短く、より速く、より会話的な通信方法であり、電子メールではない。中共政府は監視を続けているものの、携帯電話による通信は、依然として、民衆を社会活動に参画させ、政治的抗議に動員することを鼓舞する効果を持っている。
携帯ショートメールに熱中する中国人
10月31日のロサンゼルスタイムズの報道によると、河南省の農村の不動産ブローカーで、20歳の徐健中(音訳)は、自分のパソコンを保有せず、2週間に1回ネットカフェに行って電子メールをチェックする。これは、彼が外部と連絡をとりたがらないということでは決してない。彼は、パソコンでメールを出すよりも高くつくにもかかわらず、携帯電話のショートメールを打つことをより好んでいるのである。
多くの中国人にとって、電子メールは既に低速メールとなっており、彼らは、携帯でショートメールを出したり、個人のパソコンでリアルタイムチャットを行ったりしている。
現在、中国は世界最大の携帯電話市場である。政府統計、及び中国のインターネット、無線産業の市場について研究を行う会社である IResearch consulting Groupの報告によると、中国では、4・55億人の携帯電話利用者が、毎月約330億通ものショートメールを出して様々な話題について会話を行っている。中秋節の期間において、中国人は、1日で20億通ものショートメールを出し、お互いに挨拶、祝福の言葉を交わした。
21 CommunicationsのCEOであるDavid Turchetti氏によると、多くの中国人は、パソコンではなく、携帯電話からニュースや気象情報を得ているという。同氏は「大多数の中国人は、家に個人用のパソコンを購入することができません。これは相当に大きな投資になります。…しかし、携帯電話がなければ生活することはできません」と話している。
中国のインターネット情報センターの報告によると、中国のネットユーザの70%がリアルタイムチャットを利用しており、電子メールを利用している者は56%にすぎない。これは、米国と鮮明な対比を為している。米国では、ネットユーザの39%がリアルタイムチャットを利用し、91%が電子メールを利用している。
社会活動への参画を鼓舞
携帯電話による通信はまた、中国の民衆に対し、勇敢に社会活動に参画することを鼓舞し、民衆を政治デモに動員することをより容易にする。昨年6月、中国において、数千人の抗議者が防毒マスクを着用し、横断幕を掲げ、アモイにおける化学工場の建設計画に抗議し、この環境への原子爆弾に対する怒りを示した。当地の人々は、100万通に上るショートメールを出し合い、友人や家族に市政府に集まるよう促したと称した。後に官員が反応し、携帯電話のショートメールを封鎖し、人々がデモ抗議に参画することを阻止しようとした。
他の通信手段と同じく、中共政府は、携帯電話のショートメールの監視を続けている。一部の中国人によると、政府は、2003年のSARS以降、審査の対象を携帯電話のショートメールに拡大したという。当時、1000万通に上るショートメールが発出され、SARSウィルスの人への感染を警告し、当局の隠蔽を暴露した。
時に、風刺的な情報を発信した者が監獄に送られることもありうる。例えば、重慶の公務員・秦中飛(Qin Zhongfei)は、当地の指導者を風刺する詞を書き、携帯電話のショートメール、リアルタイムチャットで友人に送った結果、昨年8月に、1ヶ月間拘留された。その後、メディアの関心を呼び、この事案は最終的に取り消しとなった。