「国境なき記者団」報告書、中国のネットワーク制御の内部情報明かす

【大紀元日本11月8日】国境なき記者団(本部・パリ)はこのほど、ホームページで報告書を公表、中国当局によるインターネット監視の内幕を明らかにした。報告書は30数ページに及び、三部構成で、中国の各政府部門によるインターネットへの監視・コントロールを詳細に記述した。

筆者の陶西喆(仮名)は中国のネットワーク専門家であり、中国のネットワーク制御機関に所属している。陶は投獄される危険を犯し、自らの実体験と最前線の資料を用いて、本報告書を作成したという。

報告書は、「国家の関連管理機関によるネットワーク制御の方式」「行政指令を介して行われる日常的な制御」「キーワードによる監視・制御」の三つの部分に構成され、中国の各政府部門によるインターネットへの監視・コントロールを詳細に記述した。中国でのネットワーク制御は厳密なシステムであり、最高指導部から、第一線のウェブサイトまで構築されていると指摘した。それによると、関与する主要機関は、中央宣伝部の「網路局」(注:ネット管理局)や、国務院の「新聞弁公室網路管理局」、資訊産業部(注:情報産業部に相当)、公安部の「公共資訊網路安全監察局」など7つの中央機関であり、これらの機関は情報を、最高指導部である中央政治局などに直接に報告する。

また、報告書によると、中国当局は巨額の財政を投じ、「金盾工程」(注:中国のインターネットを監視するネットシステム)の開発、ネット監視の専門警察の育成に力を注いできた。2001年には、「金盾工程」の基礎部分は完成、目標は厖大なオンライン・データベースと完全なるネットワーク監視システムを構築し、ネットワークにおける一挙一動を詳細に監視すること。中国当局による同監視システムに関する指令の通達は、多ルートかつ有効的である。北京市「新聞弁公室」が下す監視指令は3ランクに分けられている。第一級は5分間以内に、第二級は10分以内に、第三級は30分以内に執行しなくてはならない。

当局による制御のほか、各インターネット接続サービスを提供する大手企業、例えば、「新浪」「百度」「鳳凰」なども、「キーワード・フィルター」の実行を要求されている。目的は情報を封鎖すること。それについて、作者は実例を提供した。同報告書の最終部分では、国外の情報を得るために、中国当局のネットワーク監視・コントロールを突破する方法を説明した。

国境なき記者団のネットワークの自由を主管する部署の責任者クロディア氏は、報告書作成の経緯を明らかにした。彼女は、「1人の中国ネットワーク専門家は、当局によるネットワーク制御の内幕を把握していると名乗り出た。彼は中国の人権保護組織と接触し、関連する詳細な資料を提供できると話した。そして、同組織は我々に連絡を取った。様々の努力の結果、我々は本報告書を公表した」と説明した。

また、同氏によると、作者は仮名を使っている。万一、このことが中国当局に知られてしまった場合、30年の禁固刑を科せられるためである。国境なき記者団は、この報告書の作者に、いかなる費用を支払わなかった。

国境なき記者団(Reporters Without Bordersl、略称・RWB)は、言論の自由(または報道の自由)の擁護を目的とした、ジャーナリストによる国際的な非政府組織。1985年にパリで設立された。世界中で拘禁や殺害されたジャーナリストの救出と、その家族を支援。そして各国のメディア規制の動きを監視や警告をするのが主な活動である。

(記者・章楓、翻訳/編集・叶子)

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