第17回党大会に向け、陳情者1万人が連名嘆願書
【大紀元日本10月11日】今月15日に開幕する中国共産党第17回党大会に向けて、中国全土からの訪民(陳情者) 1万2千人がこのほど、連名で嘆願書を提出し、胡錦濤・国家主席に対し、憲法に従って国を治め、科学の発展を重視する観点で調和社会を構築していく方針から、陳情者が訴えている様々な問題を解決し、長い間に蓄積された陳情者の問題を解決する具体的な方針・政策に転換することを呼びかけた。
米国VOAの報道によると、中国30省の訪民1万2千人は10月8日、第17回党大会に向けての提案として中共最高指導部に嘆願書を提出した。
中国国内メディアは少し前に、5年前の第16回党大会以来、陳情者の問題に取り組んだ成果として、改善がなされ、集団抗議事件などが減少していると報じた。ところが、中央宣伝部が出版した「2007年政治論議の要点について」では、この問題の対策としては、まだ初歩段階、つまり、十分な成果が出ていないとしている。
訪民代表の劉潔さんは、米国VOAの取材で、嘆願書には6項目の提案が盛り込まれていることを明らかにした。それによると、憲法に定められている公民の言論、出版、集会、結社の自由が確実に実行されること、冤罪などを様々なルートでの公開を許可すること、その陳情を確実に受理・解決できる政府機構のインフラ整備、地方政権の公民権侵害を抗議するデモの召集を許可することなどが含まれている。同氏は、「胡錦濤・国家主席が打ち出した、憲法に従って国を治め、科学の発展を重視する観点で調和社会の構築などの思想理論は確かに素晴らしいのだが、第16回党大会から5年が過ぎても、国家権力が公民の権力を侵害する現実は依然厳しく、むしろ悪化している」と述べた。
米国VOAは、「第17回党大会を通して、中共政権内部の右左両派はともに大会への影響を強めようとしている。各地の訪民の嘆願書は低層社会の声を代表している」と指摘した。
前述の劉潔さんは、「地方政権は自分たちの政治実績を守るために、中央指導部に陳情する訪民を阻止し、逮捕や監禁、拷問している。人権が蹂躙される多くの悲劇が上演され続けている」と説明し、3328人の訪民に調査を行った結果、うち、1244人は監禁・拷問を受けたことがある。一時身柄拘束されたのは1006人、強制労働収容所に収監されたのは156人、精神病治療センターに放り込まれたのは104人。
そのような状況において、依然、大量の訪民が北京に押しかけている。10月8日の取材によると、北京市内では、訪民を強制連行する取締が盛んに行われている。彼らが居そうな旅館の前に、自分の地域の陳情者を捕まえようと、地方政権の警察と車両が駐留したりしている。天安門広場では、武装警官や、警備員、私服警官が大量に駐在し、荷物検査を要求される通行人はよく見かけるという。
ある訪民は、「9月28日夜には、訪民への大規模な取締があったばかり。地方政権と陳情を受付する中央政府機構の幹部が結託しているため、我々の問題の解決はほとんど望めないが、それでも微かな希望を捨てきれずに、皆が命がけで陳情に訪れる」と話した。
北京市内、地方ナンバーの警察車両が随所に見られる
高等裁判所前に、訪民を連れ戻す各地方の車両が止まっている。
宿泊施設の前に、訪民を連れ戻す各地方からの警察車両が止まっている。