「西方極楽世界漫遊記」(1)

悠久な源流を持つ中華文化は、「儒、佛、道」をその主流とする。インドから仏教が東に伝えられた後、中国人は「修道して佛になる」道を探求し、この宇宙には三千大千世界があり、三千大千世界に諸仏が存在し、それぞれの佛には厳かな世界があることも知った。

 現在、仏教の僧侶と居士が顔を合わせるとまず口にするのは「阿弥陀仏」である。心から「南無阿弥陀仏」を唱えれば、臨終の際には阿弥陀仏に手を引かれて、西方極楽世界に往生できると、多くの人は信じている。念仏するだけで、深奥な佛理に触れる必要はなく、ただ一心不乱に念仏すればいいので、多くの仏教徒は浄土法門のこの修行方法に惹かれている。『仏説阿弥陀経』の中に、西方極楽世界に関して多くの描写があったが、多くの人にとってその世界は謎のままである。

 1967年の農暦10月25日、当時「文化大革命」の最中、福建省得化県の寛浄法師が、九仙山の弥勒洞で座禅をしていた時、突然観音菩薩によって西方極楽世界に連れてゆかれ、羅漢洞、忉利天、兜率天、九品蓮華の各境地を参観し、そのうえ阿弥陀仏にも拝見した。

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