APEC豪州:中国国家主席、人権問題圧力に直面

【大紀元日本9月5日】胡錦濤・中国国家主席は9月3日に西オーストラリア州都パース入りし、商工業界、鉱業界および政界の主要代表らと会談し、大型鉱山を見学したのち、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席する。当局は、胡主席がパースに到着した夜に歓迎会を開いた。一方、当日の夜、法輪功(Falun Gong=ファールンゴン)学習者は、胡主席の宿泊先の周辺で迫害で死亡した法輪功学習者たちを偲ぶキャンドル・ライト追悼会を行った。

西オーストラリア州のチベット団体リーダーで、元チベット亡命議会議員のザトル・リンポチェ氏(Zatul Rinpoche)が、同州アラン・カーペンター(Alan Carpenter)首相に対して、人権問題を提起するよう呼びかけた。リンポチェ氏は、豪州は中国との貿易関係を重要視しているが、人権問題を無視してはならないと強調した。同氏は「当局は貿易関係を懸念しているが、それは間違いである。当局が人権問題を提起しても、貿易関係は決して悪化しないのだ。何故なら、豪州は中国を必要としており、中国も豪州を必要としているからだ」と分析した。

カーペンター首相はすでに胡主席に対して人権問題を提起しないことに決定したが、西オーストラリア緑党のギズ・ワットソン上院議員は、「貿易と経済だけを討論しては不十分だ。もっとも重要なことは民衆のリーダーとして、社会の公正および人権問題を提起することだ」と指摘した。

APEC会議の安全のために、シドニーでは長さ5キロメートル、高さ2・8メートルの壁を建設した。写真は隔離された建築物(大紀元)

胡錦濤・中国国家主席は9月3日に西オーストラリア州都パース入りした(TONY ASHBY/AFP/Getty Images)

一方、ニュー・サウス・ウェールズ州の警察はすでに厳重な警備状態に入っている。情報筋によると、21カ国の首脳が到着する前に、すでに世界各地から数十の抗議団体がシドニーに集合しているという。殆どの団体は、中国など共産国家の人権問題に関心を寄せるよう呼びかけている。

民主運動活動家・魏京生氏もそのためにシドニー入りし、地元メディアの取材に対して「今回は法輪功学習者およびその他の宗教界の友人など、多くの民主運動活動家が集まっている。我々が豪州に来たもっとも重要な目的は、中国の人権現状の改善を強調することだ」と語った。

シドニー地区法輪功スポークスマンのルシ・ツァウ氏は、「APEC期間中、我々はキャンドル・ライト追悼会、資料配布および平和的抗議の活動を行っている。これらの抗議活動を通じて、胡主席および中国政府関係者に対して、直ちに法輪功学習者の迫害を停止し、江沢民、羅幹などの元凶を法の下に裁くことを伝えるのだ」と強調した。

シドニーの法輪功学習者は、気功動作をしながら無言で迫害停止を呼びかけた(大紀元)

ニュー・サウス・ウェールズ州のモーリス・レンマ首相はメディア関係者に対して、今回の会議のために、これまでにもっとも厳しい安全措置を講じたことを明らかにした。メディア関係者は、胡主席は会議期間中に、中国製品の安全および環境汚染などの問題において、各国からの圧力を受けるとみている。

会場周辺の警備に当たる警察(大紀元)

(翻訳・豊山)
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