中国:有識者千人が連名で第17回党大会に公開陳情書

【大紀元日本9月1日】中国でこのほど、千人を超える文化人と人権活動家が、中国共産党第17回党大会公開陳情書を連名で提出して、政治異見者の釈放、言論・報道の自由を求めた。

英BBCによると、人権活動家、弁護士及び文化人千人あまりが8月27日、胡錦涛中国共産党総書記宛ての公開陳情書に署名した。その中に、エイズ問題活動家の胡佳氏と青島市元人権弁護士の李建強氏が含まれている。

この陳情書は、10月15日開催予定の中国共産党第17回党大会に対して、中国共産党は中国の唯一の執政党として、広い度量及び承諾の有言実行が必要であると呼びかけた。

陳情書は、中国共産党の官吏が2008年北京オリンピック招致の際、「世界に1つの意外な喜びを捧げる」と承諾したと指摘し、この喜びは、「言論自由への取り締まり、メディアへのコントロール、インタネットへの封鎖であってはならない、ましてや言論で罪を課してはならない」とした。

また、北京当局はオリンピック開催権を得るため人権を改善すると承諾したにもかかわらず、この3年来、国家政権転覆罪煽動罪、国家政権転覆罪、不法経営罪、邪教組織の利用などの言論罪や政治関連の罪名で多くの作家、記者、弁護士と人権活動家を逮捕し、入獄させたと批判した。

陳情書によると、中国大陸にとって、言論で処罰されたケースが最も多い省は浙江省である。過去2年実刑判決を言渡されたのは、高智晟弁護士が発起した権利保護のハンガー・ストライキを支援し、法輪功学習者に対する臓器狩りを非難したフリーライターの力虹氏、同じくハンガー・ストライキを支援しネットで中共政権を非難する文章を発表した陳樹慶氏、国際ペンクラブ中国会員、画家、著名人権活動家の厳正学氏、自宅で法輪功の資料と『九評共産党』のVCDが見つかったために逮捕された政治異見者の池建偉氏、民主活動家の朱虞夫氏、キリスト教徒の沈柱克氏、そして人権活動家の李麗娟さん氏が挙げられた。

陳情書は特に北京当局に人権活動家呂耿松氏の釈放を求めている。杭州当局は先日、「国家政権転覆罪」と「国家機密不法持有罪」で、フリーライターの人権活動家呂耿松氏を刑事拘留した。

呂耿松氏は浙江省公安高等専科学校の元教師であったが、後に民主運動に従事したため退職させられた。呂耿松氏はフリーライターの身分で、インタネットで中国での権利保護、法制と腐敗などの問題に関する文章を発表したことがあり、また著書に『中共の汚職官吏』がある。

最近ニューヨークに本部を置いている人権組織「人権観察」(略称HRW、Human Rights Watch)は、北京がオリンピックを迎えるこの時期、報道の自由と公民の自由に対して弾圧を強化していることを強く批判している。同時に当局に対して、北京五輪の貴重な機会を無駄にせず、確かに真剣に人権の状況を改善していると世界に証明するよう呼びかけた。

この7月上旬、中国共産党元総書記・趙紫陽氏の元秘書・鮑彤氏、「天安門の母」(6・4天安門事件で虐殺された大学生遺族の一部が結成した組織)発起人の丁子霖氏、脚本家の沙葉新氏、作家の戴晴氏、北京のエイズ人権活動家・胡佳氏及び法律家の賀衛方氏など国内有識者40人が、胡錦涛、温家宝、国際オリンピック委員会及び国連宛に、北京当局が約束した人権改善の実行を求め、公開状を出したことがある。彼らは北京五輪のスローガン「同一の世界を求めて、同一の夢想」に、更に「同様な人権」を加えることを要求し、中国の人権改善を求めた。

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