中国知識人の連名嘆願状、良心の囚人の釈放など要求

【大紀元日本8月10日】中国国内の知識人は連名で、胡錦濤・主席、温家宝・総理、国際オリンピック委員会、スポーツ界の有名人に嘆願書を提出していたことがこのほど明らかになった。この嘆願書は、2008年北京五輪の開催に際して、中国の人権改善を促進、大赦を実施、良心の囚人(注)などの釈放を求めた。

BBCの報道によると、嘆願状を連署したのは、鮑彤(故・趙紫陽元主席の秘書)や、丁子霖(1989年の天安門虐殺で、息子が殺された「天安門の母」)、著名演劇作家・沙叶新、独立作家・戴晴(中国当局機関誌「光明日報」の元記者)、胡佳(エイズ患者を救済・支援する活動家)などの40人の知識人。

嘆願状は、「北京五輪は中国の一大事、世界の一大事でもある。北京オリンピック組織委員会が公表したスローガンは『同じ世界、同じ夢』である。我々は、中国の極普通の公民として、このような美しいスローガンに対し、自分の祖国で人類の平和、友好、公平を象徴するこのような盛大なイベントが行われることに、本来なら、限りなく誇り高く、手放して喜ぶべきだが、残念ながら、現実においては、様々なマイナスな問題が存在している。そのため、我々は問わなくてはならないのは、この『同じ世界、同じ夢』が提唱するのは、どんな世界、だれの夢であるのか。中国はどうしたら、世の人々に賛美され、国民一堂で祝賀できる、真にオリンピック精神を高揚するこの盛大なイベントを成功させるのか」と書き記し、「我々が認識するには、北京オリンピック組織委員会のこの人間の心を激励するスローガンには、人権を改善する内容を加えるべき。オリンピック精神をさらに適切かつ完全に表現、さらに似合わせるためである。世界が注目する中、中国当局は全世界に、普遍価値である文明な良いイメージを示すべき、中国憲法が定めている人権保障の規定を厳密に履行、オリンピック招致する際に交わした人権改善の約束を確実に執行しなくてはならない。以上の理由に基づいて、我々の認識は、北京五輪のスローガンは、『同じ世界、同じ夢、同じ人権』にするべき」と懇願した。

この公開嘆願書は、具体的な要求をもあげている。例えば、良心の囚人の大赦、政治原因で国外避難している中国人の帰国許可、国内外のメディア記者の自由取材に関する規定の執行、五輪のために、家屋強制移転された市民への公正な補償など。

去年下半期から、人権を注視する国際団体、例えば、国境なき記者団や、記者保護協会、人権観察などが相次ぎ報告書を発表したり、活動を行ったりし、中国当局に対し、人権記録を改善するとの約束を履行するよう要求し続けてきた。

注:良心の囚人

国際的民間人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルが提唱している用語で、非暴力であるが言論や思想、宗教、人種、性などを理由に不当に逮捕された人をいう。

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