ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(番外編-2)

【大紀元日本8月9日】東京の新橋は、所謂日本の中堅サラリーマンが集まっている「お父さん」たちの街だ。JR新橋駅前のSL広場を中心に、大小さまざまなオフィス・ビルが立ち並び、またこれらサラリーマンを顧客として、「和・洋・中」の飲食店が立ち並ぶ。夕刻ともなると、サラリーマンが顔を酒気で赤くしながら、「サービス残業」の疲れを癒すところでもある。

私はその日、元国士の小森君に勧められて、新橋に出向いてみることにした。「あそこのSL広場で演説されている日本国士連盟の盟主さまの話は誠に心洗われます。是非、張先生も・・」という強い進言もあったからだ。「ニャントモ馬鹿な人たち・・」と猫の目女に痛く馬鹿にされたものの、日本の国士がどのような話をするのか興味もあったので、小森君を助手席に乗せ、SL広場なる地点を目指した。

新橋のSL広場に到着したのは、既に夕刻の六時頃を回り、陽はすでに大きく傾いていた。広場では、既に日本国士連盟の盟主と思しき人物が、マイクを片手にボルテージの高い演説をしている。「こんばんは!盟主の鈴木倫です・・・ですので、日本の皆さん!・・日本には既に、中国共産党の洗脳の魔の手が迫っているのです!・・・全国に蔓延る日本媚中派文化協会の中文教室、太極拳教室、果ては中華料理教室など諸々の文化教室は、果たして何なのでしょうか?何を教えているのでしょうか?・・・人民日報を文化教材にして、そのプロパガンダを日本人に教えているのではないでしょうか?・・」。なかなか熱の入った演説に、酔っ払った帰宅途中のサラリーマンが、顔を真っ赤に上気させながら、野次を飛ばしている。「いいぞー!その通りだっ、もっとやれー!」。

▶ 続きを読む
関連記事
抜け毛や白髪は年齢だけの問題ではないかもしれません。中医学では、髪の状態は「腎のエネルギー」と深く関係すると考えられています。下半身の簡単なストレッチが、髪の健康を支えるヒントになる可能性も。
髪は見た目以上に多くを語ります。ストレスや栄養状態、環境曝露まで記録する“健康の履歴書”としての可能性と限界を、最新研究と専門家の視点から読み解く注目記事です。
「少量なら大丈夫」は本当?240万人を分析した最新研究が、わずかな飲酒でも認知症リスクが高まる可能性を示唆。脳の健康とお酒の付き合い方を見直すきっかけになる一記事です。
「忙しい=充実」と思っていませんか。最新の研究と実体験から、過度な忙しさが心身や人間関係に及ぼす見えない代償を解説。立ち止まることの本当の価値を考えさせられる一編です。
透析は命を救う治療だが、腎臓が本来持つ「回復力」を見えにくくしてしまうこともある。必要な時だけ透析を行う新たな治療法で、回復率が高まったという研究と、透析を離脱できた女性の実体験。