中国天津:家屋の強制取り壊しに反対、約千人が抗議
【大紀元日本8月3日】中国天津市塘沽区新河村の村民約千人が7月30日から3日間にわたり、塘沽区政府ビルの前で座り込み抗議を行った。村民は、家屋の強制移転の対象者であり、現地政府に対し、補償金の支給、変わりに住む住居の手配などの問題解決を求めている。
抗議3日目の8月1日、大紀元記者が抗議に参加する村民らを電話取材した。
村民によると、抗議は3日間続いたが、区政府は、まったく対応しなかった。抗議の3日目午前に、区長はようやく、村民を対話すると約束したが、取材時点まで、区長は終始顔を出していない。村民は依然、政府幹部が出てきて、対応してくれるのを待っているという。
また、現地は真夏日で、気温が非常に高いため、抗議に参加した老人など数人が熱中症で倒れた。ある村民は、「皆は、倒れた意識不明の村民を、区政府ビルのロビーに運んだが、警備員に無理やり追い出された。いま、中には公安警察が駐留している。陳情者の進入は、禁止されている」と明かした。
記者は塘沽区の陳情機構「信訪弁」に電話取材したが、電話口に出た女性職員は、記者の質問に一切答え拒否だった。
村民の証言によると、新河村は元々約1800世帯の村民が住んでいた。2003年から、現地政府は不動産業者と結託して、村の土地を売り払った。当時、幹部らは、家屋移転の法律手続きを取らずに、村民に口約束だけを交わし、家屋を強制取り壊し始めた。現在、残されている125世帯の村民は、自分の家屋を守り、強制取り壊しを強く反対し続けてきた。「いまの抗議は、政府に、公正なる解決を求めたいだけ」という。
また、村民たちは、「政府からの補償金は市場価格を遥かに下回るため、村民はこの金で住居を買えない。家屋が取り壊された世帯の8割はいま、自分の棲家がなく、あっちこっち転々している」と説明、「2003年の強制取り壊しが始まってから、計40数人の村民は亡くなった。うつ病を患い、亡くなった人や、
座り込み抗議する住民ら(写真提供・民生観察)
自殺者などが続出、約98%を占めている」と明かした。