中国当局、FBIの中国スパイ情報提供の広告に強く反発

【大紀元日本7月13日】中国当局は7月10日、米国FBIサンフランシスコ華人新聞で、中国安全情報部門の米国での諜報活動に関する情報提供を呼びかける広告を掲載したことについて、厳しく非難した。

中国外交部の秦剛・報道官は7月10日、FBIが6月30日から、サンフランシスコの数社の華人新聞で掲載し始めた、「中国の諜報活動に対する告発を呼びかける」の広告は、まったく事実無根だと反発、中国当局はそれについて、怒りと強い反対の意を表すと述べた。

サンフランシスコの「星島日報」「世界日報」「明報」などの華人向け新聞はFBIのこの中国語広告を、一週間以上続けて掲載していた。

広告の内容は、以下である。

「連邦調査局(FBI)は多くの職責を担っている。その中、米国の国内安全と公民の権利を保護するのが含まれている。ここに在住する華人の方々はかつて、危険人物の侵入と、国家に危害を加えるのを防ぐために、FBIに協力していた。我々の自由と民主を守るために、引き続き皆さんの協力を願っている。もし、皆さんが、国家利益を危害する情報を入手したら、我々は誠意を持って皆さんと話し合いたい。特に、中国国家安全部の状況を知るすべての方に関して、FBIと連絡することを心から歓迎している。もし、英語が分からないのであれば、我々は中国語を話せる調査員を派遣し、協力する。連絡は電話(415)553-6400番か、郵送(P.O.Box 36015,San Francisco, CA 94103)で。担当:調査員・浩思まで。(情報提供者の個人情報は厳格に守秘される)

「星島日報」の報道によると、一部の読者はこの広告に不満を示し、「広告の中に、中国を特別に強調することは、華人への差別にあたる」と反発しているという。それに対し、FBIサンフランシスコ支局のスポークスマンのジョゼフ・シャドラー(Joseph Schadler)氏は、広告の目的は、スパイの募集や、中国当局への監視を呼びかけるためではなくと説明し、現地の華人への差別を否認した。同氏は、この広告は中国語新聞に中国語で掲載しただけと明らかにしている。

中国外交部の秦剛・報道官は7月10日、中国当局が米国にスパイを派遣したことを否認し、「中国安全部門は、外国政府あるいは、他国の安全利益を損なう行為を、まったく企んだことがない」と発言し、FBIのこの広告から露呈したのは、米国は依然冷戦時代の考え方を用いて、いわゆる「中国脅威論」で米国民による中国への恐怖を引起こそうとしていると非難した。

前述のジョゼフ・シャドラー(Joseph Schadler)スポークスマンはサンフランシスコ・タイムズ紙の取材で、「メディアを介して、情報提供を呼びかけるのはFBIの常用方式であり、数年前にも、サンフランシスコ東部地区の政府関係者の汚職情報を提供するよう、読者に呼びかけていた」と説明した。

米国防大学の国家安全政策専攻のオータゥ教授は米国VOAの取材で、「中国当局が抗議をし、『米国が冷戦時代の考え方を用いる』と非難したのは、予想外ではない」と述べ、米国情報界の関係者は普遍的な認識として、「中国当局が米国で大量の情報収集活動を行っているのは確実であり、中国当局はこの問題において、潔白ではないのは確かで、長垣xun_ネ来、中国当局は米国の極秘機密を探り、収集、獲得しようとしている」と述べた。

また、オータゥ教授は、「冷戦時のプロのスパイへの対応に手慣れたFBIは、中国当局の諜報活動への対応に、大きなチャレンジに直面している」とし、「中国当局は、依然政府に忠誠を誓い、愛国心あるいは責任感を有している華人を探し出している。彼らは中国当局が興味を持っている情報に接触できる上、特殊な方式でその一部を中国政府関係者に流している。このような行為は非常に分散的で、正式ではない。彼らは金銭的な報酬を受け取っていないかもしれない。これは非常に非正式かつ特殊なスパイ問題である」と説明した。

同教授は「そのような状況のため、FBIは今回、華人新聞で情報提供者を求める広告の掲載に踏み切った。この方法は中国当局と華人の不満を招くかもしれないが、困難な状況に直面しているFBIの最後の策であろう」と分析し、「この事件は、米中関係のワンシーンに過ぎず、両国双方はこの『スパイゲーム』の状況について、腹の中で最もよく分かっているはず」と述べた。

前述のジョゼフ・シャドラー(Joseph Schadler)スポークスマンは、本広告の中国語文面起草者と協議して、広告の中の「誤解を招きやすい部分」を修正していく考えを示した。

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