【中国のことわざ】土崩瓦解

【大紀元日本7月5日】【土崩瓦解Tŭ bēng wă jiĕ】(どほう がかい)。土がくずれるようにくずれ落ち、かわらが砕けるようにバラバラになる。物事がすっかりだめになってしまい、もとどおりに直しようがないこと。

商朝の末代の君主である紂王は、人民に恨まれていた。周の武王は紂を倒す兵をあげ、牧野で戦った。紂王の牢に囚われている人は多かったが、その大部分は奴隷で、戦いたくなく、出陣前に逃げ出し、投降する者がとても多かった。まもなく、周の武王は商都を攻め落とし、商朝は滅亡した。紂の兵は一億一万余であったが、その大勢の軍勢をしても挽回できないほど、武王の勢いは凄まじく、武王は左手で黄色のまさかりを操り、右手で白い采配を持っていて、走ると瓦が砕け、その下では土が崩れた。

その後、漢書や史記で秦の末期の戦況が全敗していることを「土崩」、漢の景帝の時代の七国の乱れを「瓦解」と表現している。

現在では反動勢力とその手段を統一し、体系的な統治を消滅させられ、挽回する手段が無いことを意味することが多い。中国では、共産党による一党独裁政治が行われており、社会主義国家を貫いている。しかしその実態は、社会主義による農村部を中心とした貧困、困窮といった経済的弱者が固定化するなど、その弊害は大きい。さらに経済面における実質的な資本主義の導入によって、もはや社会主義国家とは言いがたい状況だ。一党独裁システムにおいても、地方の共産党幹部の不正や汚職事件が頻発し、また、貧困層との格差が広がるなど、大きな問題が多く生まれている。このように多くの問題を抱える現在の政治システムは、常に存続を危ぶまれてきた。そして今、中国全体に資本主義が浸透しつつあり、共産党への不信や不満が広がっている状況においては、いつ現在のシステムが崩壊してもおかしくないと言える。長年の鬱積したエネルギーが発散される時、現在の政治体制はまさに土崩瓦解の状態になるであろう。

出典:西漢・劉安《淮南子・泰族》

(編集・縁修)
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