米国在住の民主活動家、中国領事館による留学生支配の内幕を証言

【大紀元日本7月2日】中国在外公館が海外の大学中国人学生会を裏で操縦・支配する告発が相次ぎ出される中、1989年の大学生民主運動「六四天安門事件」の学生リーダー、「中国和平民主聯盟」の会長・唐柏橋氏は6月28日大紀元の取材に応じ、コロンビア大学在学中の体験を通して、中国在外公館が同大学中国人学生会を操縦する内情を明らかにした。

唐氏は米国在住の華人で、2001年から2003年、米コロンビア大学で国際政治と経済発展学部の研究生だった。唐氏の証言の概要は次の通り。

その当時、コロンビア大学中国人学生会の主要メンバーらは私とプライベートの付き合いが多かった。彼らは様々な活動を主催する際、私をよく誘っていた。

重要な会議を含めて、学生会は定期的に中国領事館で会合していた。主要メンバーらは定期的に領事と会食する。また、毎年、数回の大型イベントを開くが、毎回領事館の関係者が必ず出席、スピーチをする。その経費も領事館が出している。例えば、毎年の新年に、学生活動センター大ホールで盛大なダンスバーディを主催するが、領事館は1万5千ドルの会場費を負担している。学生会会長には領事館から毎月1500ドルの「手当」が支給される。それは同時の相場なので、おそらく今はもっと多いだろう。

コロンビア大学の中国人学生会のホームページ、中国領事館の幹部2人を顧問として公表

中国当局がコロンビア大学中国人学生会を操縦する重要な目的は、主に2つである。

①中国人学生への洗脳

任務を実行するため、学生会は頻繁に国内団体の公演観賞に留学生らを動員したり、中央指導部の高官が訪米する際、様々な歓迎活動に参加したり、留学生の共産党への忠誠を絶えず育成し続けている。

江沢民・元国家主席が訪米する際、学生会は中国人学生のメーリングリストに知らせを送信した。「歓迎しに行く人に、1人につき、30ドルを支給する。家族全員で行くのを大歓迎。子供も支給対象になる。3人家族で行ったら、90ドルがもらえる」などと書き込んでいた。学生から値段をすこし上げることはできないかとの声があった。その後、もう1人の最高指導部の幹部が訪米するときに、学生会の通知メールは、歓迎活動の参加費を70ドルに値上げした。 

②「中国通」を取り込む

学生会のもう一つの重要な政治任務は、米国大学の中国問題研究者、俗に言う「中国通」を取り込むことである。

これらの人はほとんど教授クラスの米国人であり、中国の国内事情に一定の認識がある。しかも、米国政府の対中国政策に影響を与えている。

「中国通」たちは1989年以降、基本的に反中国共産党(中共)体制の態度を示していたが、中共はこれらの「中国通」を味方にするために、相当の「努力」を費やし巨額の資金を投じてきた。例えば、彼らに高額の学術研究経費を提供する。結果、この「中国通」たちは、米国のメディアで中共の意図を反映する文書を発表するなどし、中国当局による海外での宣伝の助手となっている。 

学生会会長は頻繁に領事館幹部と一緒に、「中国通」と会食する。いわば、関係作りのパイプ役を果たしている。

最近では、ニューヨーク大学の中国人学生会が新唐人テレビの主催する舞踊大会に反対する署名運動を起こしている。民間の中国伝統文化を伝えるイベントをそれほどまでに攻撃するのは、やはり裏があると思う。米国では中国人が主催する様々なイベントがある、例えば、カラオケ大会や、美人コンテストなど、場合によっては、非常に低俗で破廉恥なものもある。どうして、中国国内の実情を報道する新唐人テレビのこの伝統舞踊大会だけが学生会の攻撃の的になったのか、考えてみれば、中国領事館が背後にあるのがすぐにわかるはずだ。

米国社会において、学生会が不正な金を受け取り、公で他人を誹謗中傷することは、一旦調査されることになれば、軽くても米国社会の倫理道徳や、社会正義と文明に反する、場合によっては、米国の法律に触れ、法的懲罰を受ける可能性がある。

1989年の天安門事件のころ、中国内外の大学生は、中共の支配から抜け出そうとする時期があった。中国領事館に近寄る学生は、周りに嫌われ、「学賊」と名づけられた。当時、多くの中国人学生は自治する学生会を結成、領事館が支配する余地はあまりなかった。

しかし、現在の中国人留学生の状況を非常に憂慮するものがある。学生会は学生の親睦のためではなく、中国領事館の手下に変身してしまった。国外にいるのに、中共の魔の手から抜け出せないのは、誠に残念で悲しむべきことだ。ニューヨーク大学学生会の会長が電話にも出なくなり、例え電話に出ても、電話番号が間違えたと説明され、ホームページで公開しているメールアドレスも取り下げたと聞いたが、本当に遺憾なことだ。どうして、中共の支配を受けずに、もっと正々堂々と生きようとしないのか。

取材の最後に、唐氏は、中国人学生会に、次のようなメッセージを発した。「せっかく、国外の自由社会に身を置いているのだから、もっともっと中共以外の声に耳を傾けみるべきだ。ある日、良心が目覚め、領事館の操縦から逃れ、真の意味で人間として正々堂々と生きてみよう。これはなにより重要なことだ。可能であれば、勇敢に公に出て、中共による支配の内幕を暴露し、罪を償うべきだろう。我々はいつでも、両手を広げて歓迎する」。

(記者・辛霏)
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