中国製欠陥タイヤ回収困難の米販売会社、 メーカーは「商業的な宣伝」と非難  

【大紀元日本6月29日】米国のタイヤ販売会社(FTS=本部・米国ニュージャージー州)が最近、米政府機構・全国幹線道路交通安全管理局(NHTSA)に、自社が販売した約45万本の中国製トラックタイヤのリコールへの協力を要請した問題について、中国のタイヤ・メーカー、中国浙江省杭州のゴム製造会社「杭州中策橡胶有限公司」はこのほど、「法的訴訟のために、商業的な宣伝を繰り広げている」とFTS社を非難した。一方、FTS社は自社の財務能力から、欠陥タイヤをすべて回収するのは困難だと主張し、NHTSAに支援を要請した。それに対し、米国の関連政府機構は、FTS社が最大限な努力を尽くし、会社を投げ打ってもリコール処理を完遂するべきであるとしている。

中国製タイヤの安全上の欠陥が発見され、リコール問題が取り上げてから、米国上院議員4人が26日、ブッシュ大統領に連名書簡を提出し、「米国政府はただちに関連措置を講じ、これらの欠陥タイヤを回収すべきである」と求め、「今回のことは貿易問題の範疇を越えている、安全に関わる問題である」と強調した。

FTS社がNHTSAに提出した報告書には、中国の杭州中策橡胶有限公司が製造したタイヤに欠陥が見つかり、走行中にタイヤが破裂する危険性が高いと説明した。

NHTSAは、FTS社に対し、この中国メーカーが製造した同種類のタイヤ45万本のリコールを要求した。

その後、中国のタイヤ・メーカー杭州中策橡胶有限公司が声明を出し、「米国に輸出されたタイヤは、米国の国家基準に照らして検査を受けていた。現時点までに、FTS社が指摘する安全欠陥問題はまったく発生していない。製品の品質は十分な信頼性がある」と反論し、FTS社が米政府に欠陥報告したのは、「訴訟のための商業的な宣伝に過ぎない」と非難した。

米国メディアは、中国メーカーが製造したタイヤが、米国で少なくとも2件の交通事故を引き起こし、2人が死亡したと報じている。

米国のWoloshin & Killino弁護士事務所のジェフリー・キリノ弁護士の説明によると、昨年8月12日、乗客3人と運転手1人を乗せたシボレーのワゴン車がペンシルバニア州の476号国道で走行中、タイヤが脱落し、ワゴン車が制御不能となり、横転した。乗客3人は全員車外に放り出され、2人が即死、1人は重傷で脳挫傷を負った。運転手だけは放り出されずに、比較的軽傷で済んだという。同弁護士は被害者家族の依頼を受け、中国の杭州中策橡胶有限公司を相手に訴訟を起こし、8000万ドルの損害賠償を要求している。

同弁護士はメディアに対し、「我々は米国の一流タイヤ専門家に依頼し、事故を起こしたタイヤを徹底的に検査した。約9ヶ月の時間を要し、325ページに及ぶ訴訟資料を提出した」と述べ、「杭州中策橡胶有限公司が故意に且つ密かにタイヤ製造で安全性能を施す工程を省いたことが、二人の若者の死をもたらした直接の原因となった」とした。

また、昨年5月、ニューメキシコ州でこのメーカーのタイヤを装着した救急車が走行中にタイヤが破裂したため、横転する事故が発生した。

FTS社は5月末に、中国杭州中策橡胶有限公司が契約に違反したとして米国ニューアーク地方裁判所に告訴した。AFP通信によると、FTS社は同中国メーカーに8千万ドルの損害賠償を求めているという。

FTS社の代表弁護士は、「杭州中策橡胶有限公司が関連の資料を提供しないため、FTS社が安全欠陥のあるタイヤの数量と、輸入時期などの問題を確認できないでいる」と説明した。

FTS社が2002年から、同中国メーカーから小型トラック用のタイヤを輸入し始めたという。

また、同社によると、2005年10月に、この種のタイヤによる保険賠償事故が増加していることに気づいたため、この中国メーカーと問題解決の交渉を始めたという。

2006年6月に、FTS社が同中国メーカーからのタイヤ輸入を中止、独自でタイヤの安全検査を始めたという。

BBC中国語ネットの記者は、今回の欠陥タイヤの問題について、中国当局の国家質量検査総局に問い合わせしたが、回答は得られていないという。

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