山西の炭鉱工場、誘拐された子供が奴隷に、父親らの救出劇

【大紀元日本6月16日】中国の闇業者が児童や知的障害者を誘拐し、炭鉱工場やレンガ工場などに売り飛ばしている実態が明らかになった。中国山西省などの炭鉱工場から、一部のが子供の救出に成功し、ネットサイトで救援状を出し、救出過程の一部を明らかにし、いまだに救出されていない大勢の子供を救うよう呼びかけている。また、事件を取材、救出に同行した河南省テレビの記者は、現地司法関係者の事件への関与などを指摘し、これまで闇に隠されていた子供たちの悲惨な現状など様々の真相が徐々に明るみになっている。

6月5日、約400人の河南省の父親がネットサイトに連名で救援状を出した。それによると、行方不明になった子供を捜すために、全国各地を転々とし、様々な苦難を乗り越え、紆余曲折を経て、中には全財産をつぎ込んだ人もいるという。そして、最近になって、ようやく子供らが山西省の炭鉱工場で奴隷のように働かされているのことを突き止めた。父親たちは出稼ぎ労働者を装い、工場内部に入り込み、2ヶ月あまりの時間をかけて、40人あまりの子供を救出したという。

また、子供たちの境遇について、以下のように記録している。「7年間ここで働いてきた人もいる。脱走に失敗した者は凄まじい暴力を受け、中に体に重い障害を残す人もいる。また、用心棒から背中に真っ赤に熱くしたレンガを押し付けられた少年もいる。この子がその後救出され、病院で数ヶ月の治療を受けたが、火傷は治せなかった。彼らは、毎日14時間以上働くが、ご飯すら満腹に食べさせてもらえない。疲れ果てた人が、少しでも手を抜けば、用心棒から暴力を受ける。殴る蹴るの暴力は日常茶飯事。重傷を負った人には、治療を受けさせることもなく。炭鉱主が危篤になった人を生き埋めにして死なせる。長い間風呂に入っていないため、皆体中に乾癬のようなフケがある。一番幼い子供はわずか8歳。8歳の子供は、一食を得るために、毎日大人すら耐え難い重労働に従事している。人身の自由が完全に剥奪され、24時間用心棒に見張られてい

再会した親子(ネット写真)

各地を転々し子供を捜し求める親たち(ネット写真)

足と腰に傷を負った少年(ネット写真)

粗末な食事を取る少年(ネット写真)

炭鉱・レンガ工場の作業現場(ネット写真)

強制労働させられていた子どもたちが寝ていた場所(ネット写真)

る」。

また、救出への現地政府の対応について、以下のように書き記している。

「現地の派出所は、まったく相手にしてくれなかった。しかも様々な手立てを講じ、我々が救い出した子供を連れ戻すのを妨害した。炭鉱主が私たちを恐喝することにも、見てみぬふりだった。その後、上級の公安部門から問題解決を命じられた後、派出所の警察は、『子供は河南省で行方不明になった上、問題の炭鉱主も河南省出身である。あなたらは、河南省の公安警察に通報しなくてはならない。河南省の警察が動き出せば、我々が協力する』と態度を和らげた」。

あるネット利用者は、「現地の炭鉱主の後ろ盾は、一部の現地政府と公安の関係者である」と書き込みしている。

一方、5月9日から、河南テレビ都市チャンネルの記者・付振中氏は、5人の親から共同で行方不明になったわが子を探しているとの情報を入手、あれからの一ヶ月間、同記者は3度にわたり、山西省の炭鉱工場を極秘調査した。同記者によると、山西省の運城や、晋城あたりに、炭鉱工場が特に多い、約千軒以上がある。同記者が多くの工場を秘密調査した。現地の人口が比較的に少ないため、労働力が不足している。炭鉱工場の多くは、闇業者から人を買い取り、働かせている。最も強い衝撃を受けたのは、山西省の栄県のある炭鉱工場での取材。ここで働く子供は、皆8歳から13歳の児童だという。また、同記者は、「私が調査した工場は、ほとんど現地政府の庇護を受けている。誘拐された子供を救出する過程で、現地の公安警察は、調査人が自分の子供だけを連れ出すのを許したため、多くの子供は依然救出されていない」と明らかにし、「救出する過程において、最大の妨げは、現地の司法機構が協力してくれないこと、場合によって、彼ら自身がこの違法事件に関与している」と指摘した。最後に、同記者は、「私は心がえぐられるような苦痛を感じている。私が得た情報では、現地で奴隷のように働かされている子供は1000人以上になる。自分がこのようなかわいそうな子供たちを救い出せないことに無念さを感じている」と心中を語った。

また、河南テレビは6月11日までに、計21回の関連番組を制作・放送、千人以上の親が同テレビ番組に駆け込み、行方不明になった子供の捜索を要請した。

河南テレビの放送によると、山西省の多くの炭鉱工場が未成年の子供や知的障害者を働かせている。こうした労働力は、コントロールしやすく、反抗能力が低いためである。彼らは毎日平均16時間以上働き、「豚の餌のような食べ物を食し、牛・馬のように働ている」という。それでも、彼らは頻繁に工場主や監視役からひどい暴力を受けるという。

行方不明になった子供を捜すために、山西省の炭鉱工場を3度訪れた羊愛枝さんは、「媚陽県で河北省出身の知的障害者に出会った。私と会うたびに、泣き崩れて、連れ出すように頼んできた。私は3回行ったが、この子は3回泣いた。しかし。私にはどうにもできない。現地政府の人がすごく怖いの、この子たちとの接触をなかなかさせてくれなかった」「彼らは夜10時になると閉じ込められる、外に出られないため、寝床でそのまま排泄することを強いられ、その匂いはすごかった。ある工場では、約27メートル長さトンネルに、86人が寝泊りしている」などと証言した。羊さんはいまだに息子が見つかっていないという。

山西新聞ネットの報道によると、以上の情報が明るみに出た後、6月6日、山西省の公安警察が6つの地区で取り締まりを行い、1日間で87人を解放、10人の炭鉱主を処罰したという。

現時点において、子供を誘拐した容疑者の1人、楊が山西省の警察当局に勾留されているが、「証拠不十分のため」、立件できないでいるという。

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