アムネスティ人権年度報告書:中国当局による人権弾圧が一層激化
【大紀元日本5月28日】アムネスティ・インタナションナルは5月23日、2006年全世界人権年度報告を公表した。中国当局による法輪功や、チベット人への迫害状況は、依然改善されておらず、人権問題は依然深刻だと指摘し、国際社会に対し、引き続き中国当局に圧力をかけるよう呼びかけた。
アムネスティ・インタナションナルのアジア太平洋地区の副主任バボル氏は、「2006年、中国でのインターネットの利用が大幅に増加したが、中国当局による人権活動家への弾圧も一層厳しくなり、新聞記者や、作家、ネット利用者が逮捕される案件が持続的に増加している」と指摘した。
報告書には、「中国当局に登録していない宗教団体は引き続き迫害を受けている。多くの法輪功学習者が逮捕・勾留され、虐待を受けている。チベット人は、信仰や、集会、言論の自由などが剥奪されたままで、就職する際にも差別を受けている」と書き記した。
報告書は、米国のアジア財団駐北京事務局の職員・卜東偉さんが、強制労働収容所に2年半の禁固刑を科せられたことを実例として挙げた。それによると、卜東偉さんは法輪功学習者であるため、監禁された。彼の米国に在住する妻・婁宏偉さんは、「卜東偉さんはすでに監禁されて1年が経つが、彼の姉は3回しか面会が許可されなかった。妻との電話もいまだに許されていない。毎日、重労働を強いられる」と証言している。
アムネスティの統計によると、死刑は依然中国で普遍的に執行されている。昨年一年間、経済や、非暴力犯罪などの68種類の犯罪形式を含めて、処刑された死刑囚の人数は、公に報告されたのは1010人。また、約2790人が死刑判決を受けたという。また、報告書は、実際の数字はさらに多いと指摘している。
報告書は、中国当局による囚人への虐待は非常に残忍であると指摘、その内容について、「殴る蹴るの暴力、電気ショック、鉄製のチェーンで敏感な部位を締める。タバコによるやけど、長時間の睡眠の剥奪、食事の剥奪など」と書き記している。
バボル副主任は、「多くの中国人が、公で自己の合法権利を主張するようになったが、中国当局による弾圧もさらに厳しくなっている」と指摘した。