世界最大級木造帆船、「イエーテボリ号」
【大紀元日本5月22日】18世紀の帆船を復元した世界最大級の木造帆船「イースト・インディアマン・イエーテボリ号(East Indiaman Gotheborg)、以下イエーテボリ号」はテムズ川に入り、ロンドンブリッジを通過した際、礼砲で打ち鳴らした。一方、テムズ川岸に停泊していた「ベイアファトス号」の巡洋艦も礼砲で迎えた。
「イエーテボリ号」は2年間にわたり世界航海している。18世紀に実際に行われた貿易航路に沿って、13カ国を訪問した。昨年は中国広州、上海および香港を訪れ、今回はロンドンで6月2日まで停泊する予定。
「イエーテボリ号」は1700年代において、中国と欧州をつなぎ、中国茶や磁器を欧州へ伝えた。この帆船を見物することで、スウェーデンの東インド会社の対中国貿易の往時をしのぶことができる。
初代「イエーテボリ号」は1738年に建造され、1745年にスウェーデンのイエーテボリ沖で座礁し沈没したが、乗組員全員が救出された。当時、船荷すべての価値は、スウェーデンの国家予算を上回っていたという。その後、残された船荷の引き上げも行われず、保険会社による賠償で済んだ。1980年代半ばころ、初めて船の残骸が発見されたという。
一方、スウェーデン歴史学者たちは、「イエーテボリ号」沈没は保険詐欺事件であるとの見方を示した。彼らは、船長および船のオーナーはすでに貨物などをロンドンで販売したと主張した。
新しい「イエーテボリ号」は1995年に文書記録から設計図を作成し、10年の歳月を費やして建設された。新「イエーテボリ号」は、当時の建築材料を使用し、当時の技術で復元したという。船のボディ、マストは木材を使用し、総面積は1950平方メートルで、26枚の帆、5万6千本の釘、1万本のボルトおよび20トンの純とも綱は、すべて人の手によって作られた。
初代「イエーテボリ号」との違いは、発電機やエンジン、照明などのほか、ハイテクの航海・通信設備が装備されていることだが、それでも帆船であるため、船長は常に風向きの変化に注意していなければならない。