中国製ニセ風邪薬、海外で死者多数
【大紀元日本5月9日】過去20年間、世界での深刻な集団中毒事件は少なくとも8件は風邪薬服用により生じた。調べによると、最新の4件の内に、3件が中国製のニセ風邪薬が原因であることが判明した。最近のケースは、昨年10月にパナマで起きた中国製風邪薬の服用により395人の死亡をもたらした。
ニューヨーク・タイムズ6日の報道によると、昨年10月から現在まで、パナマシティで少なくとも395人が、政府が配布した風邪薬を服用して死亡した。それらの薬は、昨年5月、パナマ当局は26万本の風邪シロップを製造・配布していたもの。これらの薬に、工業用ジエチレン・グリコールが添加されている中国製風邪薬が入っていた。
ジエチレン・グリコールが添加された咳止めまたは解熱用の薬を服用した患者は、腎臓衰弱および呼吸困難に陥り、命を失うこともあるという。
パナマが輸入した偽グリセリンは、長江デルタの江蘇泰興市グリセリン製造工場の製品を北京からスペイン・バルセロナを経由し、パナマへ輸出されており、前後に3つの貿易会社をわたっている。それぞれの貿易会社は、製品内容がラベルに表示されたものと一致するかどうかの確認もせずに、一方的にラベルにあるメーカー名と代理店名を消して改ざんしたことから、最終的に出所の判明すらできない。ニューヨーク・タイムズ紙は追跡調査を行い、江蘇泰興市グリセリン製造工場は、医薬品原料の製造許可を持っていないことが判明した。
今回のような事件は、パナマおよび中国国内のほかに、ハイチ、バングラデシュ、アルゼンチン、ニジェールとインドにおいても、類似の中毒事件が起きたことがあったという。その中でも、10年前にハイチで起きた中毒事件では、少なくとも88人の児童の命が奪われた。米国務院の記録によると、当時米国食品医薬品局(U.S.Food and Drug Administration、FDA)調査員は、ニセ風邪薬の出所が中国大連の工場であることが判明し、現地入りして調査しようとしたが、中国当局に阻止された。調査員は、1年後にようやく中国への入国ができた。しかし、そのときに、工場はすでに移転されており、関連資料もすべて処分された。