広東省佛山の開発業者、「空き巣」を使って「地上げ行為」
【大紀元日本4月20日】中国広東省佛山市には300戸余の住宅区があるが、最近になって空き巣や強盗事件など「物取り」が頻発している。メディアの報道に反して、地元警察当局と地元開発業者は「事件はホームレスの犯行」と主張、対して住民らは業者側が企んだ「大規模な地上げ行為」とみている。香港「大公報」の18日報道によると、「佛山市の中心地区300戸で最近、空き巣被害が頻発」、18日夜にも同じような事件が起こった。
広東メディアの報道によると、佛山市禅城区衛寧路の霍さん宅に16日夕、見知らぬ者が侵入、寝室にいた霍さんが物音に気付きリビングに出たら、暴漢4~5人が家具と冷蔵庫を外へ運んでいたという。霍さんは近所の人に助けを求めようとしたが、暴漢らは2階の階段入り口を遮って、外部との連絡を遮断した。消息を聞きつけた派出所は、警官5人を派遣、現場を封鎖した。この件について、定年退職したある地元住民は、「開発業者は、物権法が執行される前に立ち退きを終わらせ、住民への補償金を省きたいからだ」との意見を示した。
別の被害者は、「週末に家族全員で出かけて帰宅したら、家にあったテレビ、冷蔵庫、冷房およびすべての家具がなくなった。さらに、電線、水道管および鐡格子扉、アルミサッシまで奪われた。これは、個人的な災難なのではなく、(業者が仕組んだことで)多くの住民が同じことに遭っている。住宅の一部では、壁に深く埋められている電線までも掘り出され、壁には穴が開いたままで、家屋は空っぽになった」と憤りを隠さない。
佛山市公安局禅城支局は17日に臨時緊急状況報告会議を開き、派出所所長は「ホームレスが事件に関与」と公表した。通報統計によると、3月1日より4月18日までに同地区で起きた空き巣被害は、120件にも上っており、その内の大多数が、有罪として立件しなかった。立件されたのは、わずかに刑事事件5件と民事事件1件だけで、地元開発業者によるこういった「地上げ行為」は採り上げられなかった。
地元開発業者「東建集団」の社長によると、会社の立ち退きは、地元当局・禅城区建設局が交付した「立ち退き可証」が根拠になっており、「すべての立ち退き手続きは、正常で合理的だ」と言い放った。また当局の佛山市計画部門も、「東建集団は、開発権を得ており、規定手続きに沿っており問題ない」とコメントしている。
対して住民たちは、「ホームレスが、コンクリートと沙を使ってまで下水道を詰まらせるか?電線を切断している方法もプロ的な手口だし、屋外の電線だけでなく、屋内の電線まで切断されている・・・屋外の電線は切断されても電力局が直してくれるが、屋内の電線は自腹で直すしかない。開発業者は、立ち退きさせるために地上げ屋を雇い、住民に対するハラスメントで目的を達成しようとしているのだ」と怒りをぶちまけた。