中国国内問題と外交政策に警戒、日本政府に要望書=民主中国陣線日本支部
【大紀元日本4月10日】中国の温家宝首相来日に際し、民主中国陣線日本支部は10日、声明文を発表し、官僚腐敗や、民主活動家らへの弾圧、法輪功やキリスト教などの思想・宗教への迫害などの中国の国内問題を取り上げ、外交面では、経済発展を背景に国際社会でイメージアップを図ろうとしている中国を警戒し、日本は民主の外交理念を堅持すべきと主張した。
要望書は次の通り。
中国総理温家宝が日本訪問する際に、私達は中国内政、外交の重大問題に対して声明を発表する。
胡錦涛、温家宝が就任してからもう4年という長い時間がたち、当初、中国国内外で〝胡温新政〟は歴史の負担がなく、〝六・四天安門事件〟鎮圧の血の債務もなく、世界民主主義の流れに乗って徐々に政治改革すると考えていた。しかし、四年も過ぎ、胡温政権は経済発展を最優先とし、社会の公平を無視して、新聞の自由を閉鎖して、民主主義に向かうすべての種を消滅させる状態にした、そのため、中国は正真正銘の警察統治国となった。
2003年3月中国前総理朱鎔基は人民代表大会の政府活動報告で、中国は“バブル経済、供給の過剰、公務員の腐敗”という3つの時限爆弾を抱えていると話した。四年後のいま、公務員の腐敗は中国社会の最も危機な問題となっている。今年三月、人民政協会議期間で、人民代表大会が2006年の公務員浪費の公金の提示を求めたところ、1兆人民幣に達した。行政支出費用基準は世界首位となっている。中国の財政支出で、公務費用は1978年の4%から2005年の24%に100倍も増加しており、中国は〝無駄使いの公務員国家〟に変わった。いま中国は反腐敗の活動を進めているが、これは派閥の間の争いで、権力の安定の役割を達するためで、官僚の腐敗を止める役割を果たしていない。
中国の官僚階級は利益を得る集団となっている。中国の統計によると、90%の億万長者は高級幹部の子孫や親族である。この不公平が社会の分化を作り出し、集団の衝突や対立を激化させた。2006年、中国で11万件の暴動が発生し、1日平均300件に上り、この社会衝突は広範囲に分布して累積されている、社会の安定において巨大な危機を迎えており、最終的には全面的な社会の不安定に変わる。
胡錦涛、温家宝政権は“自然人を基本主旨とする”をスローガンとし、平等社会を築いていくと発表した。しかし、胡温政権の出発点はその権力を守ることを基点にしている。権力主要の政策下において、〝六・四天安門事件〟の禁止区域を解除することはできず、同様に言論の自由と民間の人権活動への弾圧をやめさせることはできない。胡温政権の関心は、〝民生〟であり、〝民権〟ではない。言論の自由を剥奪しながら、平等な社会を築いていくはただの空論である。
中国は経済至上の社会になってから、いまはただ経済効果を追求しており、その道に向かって進むだけである。しかし、中国経済の急速な成長はすでに28年という長い歳月を維持し、その上、安い労働力に依存しており、いつかは限界に達する。中国政府は当面、これに対する対策を持たない。経済成長は現政権の支えとなり、十分な経済成長がなければ、中国政府は国内の矛盾と危機を解決できず、同様に国外の圧力と競争に対応する力もない。
中国政府の安定の唯一の糸口は政治改革である。政治改革の第1歩は、言論の自由であり、メディア統制をやめ、健全な社会制度を守ることである。中国は共産党一党独裁であり、司法や行政の権力で民間の人権活動を弾圧し、民主活動家らを逮捕し、法輪功やキリスト教などの思想・宗教を迫害し、最大の社会の不安定と危機を引き起こしている。
中国経済の成長につれ、同国政府は国際社会に対し、可能な限りの国際的影響力の増加を図っている。百億ドルの資金、アフリカ諸国に対する援助、北朝鮮への輸血、アフリカと東南アジアの諸国家の債務の放棄。これらのやり方は中国政府が発展途上国を懐柔するためであり、北朝鮮のような社会主義国を利用し、欧米の民主主義国家に対抗するためである。
アジアの政治状況を見ると、多年にわたる日米同盟と最近の日豪準同盟はアジア太平洋地区に平和と安定をもたらしている。中国の周辺はすでに民主主義国に包囲されている。今回の中国総理の訪日は、中国が政治的孤立から抜け出すためであり、日本や世界に、中国の平和的なイメージを宣伝している。しかし、中国非民主化の独裁政治、不透明な軍事費の支出などがあり、隣国を安心させることはできない。日本は国連常任理事国と北朝鮮の拉致問題で中国に助けを求めているが、独裁国の中国は民主主義国日本が常任理事国になることを望んでいない。北朝鮮は多年にわたりあらゆる面で中国政府が支援し、裏で操る恐怖の国であり、中国政府は拉致問題解決に手を貸すことはないと言える。
日本は民主主義国で、民主の外交理念を堅持すべきであり、経済利益でこの原則を絶対に放棄してはいけない。二年前、中国政府は表面で黙認して、裏で扇動した反日運動が中国全土で起きた。今日、温家宝が訪日したからと言って、中国が反日の気持ちがなくなったことにはならない。中国政府は需要があれば、もう一度反日運動を引き起こすのであり、これを政治のカードとして日本を攻撃することもできる。
2008年に中国でオリンピックが開かれる。中国の人権状態は、完全にオリンピックの平和、自由、平等精神に反している。日本は中国政府に対して人権を尊重し、民主化に向かうよう促すべきである。要するに、中国はひとつの大国として、民主制度を実行しなければ、日本、アジア、世界に対して平和の脅威となるのだ。
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2007年4月10日