広東省、大規模な「売血村」が摘発される
【大紀元日本4月7日】 広東省掲陽市でこのほど、自分の血液を売ることで生計を立てる集団の存在(現地では「血奴」と呼ばれている)が明るみになった。「血頭」と呼ばれるボスは「血奴」を道具に暴利を得ているという。中国紙「信息時報」が報じた。
報道によると、「血奴」は千人近く達している。この人たちはまったく働かずに、平均で一ヶ月に15回以上血を取り出す。そのため、全身が腫れたり、あるいは激しく痩せたりし、血液の生成を促進する薬を常時服用するという。
広東省はエイズの高感染地域である上、SARSと鳥インフルエンザの感染源ともなっている。今回の血液売買が発見されると、事態を憂慮する声が上がっている。情報によると、広東省衛生庁の幹部らは現地入りし調査を始めたという。
香港紙「明報」の報道によれば、現地の掲陽市公安局は4日、百人あまりの警察を出動させ、「売血村」と呼ばれている玉浦村と芦前村を捜査した。1人の「血頭」と5人の「血奴」が勾留されたという。
市民によると、この集団の存在が暴露されるまでに、毎朝6時から、数十人の「血奴」が血液を売る列を作っていた。3日午前からはこの人たちの姿が消したという。
集団売血する人たちの存在が明るみに出た後、玉浦村は静まり返った。「血奴」に貸していた平屋には鍵がかけられ、ほとんどの部屋に人影がない。湖南省出身の30代の男性の話によれば、大半の「血奴」は湖南省の農村地区からやってきたひとで、ここで血液を売ることで生計を立ててきた。短い人は1、2年、長い人は5、6年に達するという。
情報によると、これらの血液を売ることで生きる人たちの中には、麻薬常用者や、売春婦も数少なくない。大勢が一室に寝泊りしている。性病感染の危険性が高い集団だという。実際に村の至る所で性病を治療する張り紙を目にする。
「血奴」の毎回の売血量は400ccあまり、収入は120元(約2000円)から200元(約3300円)。月に15回ぐらい血液を抽出するため、血液の供給を補うために様々な薬品を大量に服用するという。一方、「血頭」の収入は6000元(約10万円)から4万元(約67万円)だという。
現地でのこのような大規模の売血集団はすでに20年以上存在しているという。専門家からは、現地政府と医療部門の責任を問う声が上がっている。