北京:真冬に最高気温16℃、167年ぶりの暖冬
【大紀元日本2月9日】地球温暖化問題は深刻化している中で、世界各地に異常気象が頻発し、中国大陸各地の気温もここ数十年、数百年にない異常さが現れた。北京の2月の気温は本来零度以下になるはずだが、ここ数日間の気温は16℃まで上昇しており、167年以来の最高気温の記録を創った。中国その他の地域の気温も例年に比べ上昇しており、黄河流域の北部地帯では、凍った河が溶け始めたという。
新華社によると、真冬の2月の北京は、今年は異常に暖かく、4日の気温が12・8℃まで上昇し、ここ30年間で最高の気温となった。また、5日の気温は16℃まで上り、167年以来の同期気温の記録を破りたという。
*スケート場早期閉鎖、ダウンジャケットなど冬物売れず
異常気象は商売にも影響を及ぼした。ダウン・ジャケットや冬物は値下げしなければ売れなくなり、アパレル販売店によると昨年に比べ売り上げは2割減とし、多くの販売店は5割引きまでにして品物を捌こうとした。
一方、海に近いアイススケート場を含めて、東北部のハルピン市にある氷の彫刻も溶け始めたという。新疆のアレタ市のスキー場は積雪不足で、他の場所から雪を運び込む羽目になり、これまでに毎日は百人の訪れ客も、今年は1日に十数人しか訪れていないという。
*春の黄砂被害が深刻になる予測
北京市の吉林・副市長は、今年の北京地区における雨と雪が少ないことから、春の黄砂の嵐に深刻な影響をもたらすと懸念した。少し前に、暖冬が原因で中国北西地区では今年に入って初めての黄砂が発生したという。
北京以外の中国各地においても気温の異常発生があった。6日、上海市区の申城では23・4℃に達し、ここ10年間で2月において、もっとも高い気温を記録したという。安徽省合肥市、巣湖市、銅陵市等の都市でも、気温がすべて22・6℃を超えており、ここ50年間、同地区における同期気温の最高値を超えたという。一方、南京市も5日の気温が21℃に達したという。
*大自然奇観続出
異常気象は大自然にも奇観をもたらした。今年の黄河の氷結期は従来より遅く入ったにも拘わらず、氷結期の終了が例年より早くなったという。その内、壺口の滝は初めて氷結しない現象が現れたという。
上海世紀公園の数千株の梅もここ数日間で、緑や赤、ピンクなど色鮮やかつぼみが沢山ついており、待ちきれずに開花した品種もあったという。
*陝西省旱魃、30万人が水不足
陝西省は暖冬のため、ここ2ヶ月間の降雨量が往年に比べ9割減となり、旱魃の現象が現れ、30万人および6万頭の家畜の飲用水不足をもたらし、540万ム(約36万ヘクタール)の農作物に悪影響を及ぼしたという。気象部門の予測によると、これから先においても、地元では高い気温が続き、旱魃による被害が懸念されるという。
*人類の活動が地球温暖化を加速させる
一部の統計によると、中国は昨年1年間で異常気象が原因で、2,704人が死亡、約2,120億元(約3兆1376円)の経済損失がもたらされたという。
国連の政府間機構である「気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change/以下、IPCC)」は少し前に、第4回評価報告によると、今世紀末における地球全体の地表平均温度は1・1~6・4℃まで上昇し、海面は0・18~0・59メートルを上昇するという。IPCCは、昨年に発生した台風、旱魃等の自然災害はすべて地球温暖化と関連しているとし、人類の活動は地球温暖化をもたらす主な要素であると指摘した。