中国国務院メディア責任者:外国メディアの中国報道、ネガティブ内容多すぎる
【大紀元日本12月31日】北京オリンピックの開催に向け、外国メディアに対して中国国内での取材規制を緩和するとの中国当局による新たな規定が、明日から施行される。これについて、中国国務院新聞弁公室の責任者蔡武・主任は28日に北京で、同政策実施後は中国の発展にとって有利である結果が得られれば、報道規制は元に戻す必要がないとする一方、海外メディアは中国に対してネガティブな報道が多すぎると批判した。
蔡主任は、海外メディアの中国関連報道は、過去1年間で約30~40%増加したことを明らかにしたが、建設的な報道は比較的少ないとし、一部の報道内容は無責任であると批判的な見解を述べた。
2008年北京オリンピックの開催条件として中国当局は最近、来年1月から、外国メディア記者は中国国内で取材する際に、事前に中国外事部門の許可や外事部門職員の同行がなくても取材可能となると発表した。
ラジオ自由アジアの報道によると、蔡主任の発言について、深セン市在住のネット作家・趙達功氏は、海外メディアの報道原則や基準は中国と異なることから、蔡主任の批判は理屈に合わないと指摘した。趙氏は、「最も重要なことだが、中国のネガティブな報道が日増しに増えているのは、中国の社会問題や衝突が激増しているからだ。例えば、失業、自殺、直訴、土地の強制収用による強制的立ち退き、早期に定年退職させられた職員の直訴など、集団抗議事件が至る所で起きているのだ。社会問題が多く発生すれば、そのような報道も増えるのはまったく正常である」と強調した。
趙氏は、自由社会国家のメディアは、社会に大きい影響を及ぼすこと、例えば、鉱山爆発、遭難事件、交通事件、腐敗問題、政党や有名人のスキャンダルなどについて報道することは一般であるに対し、中国はこれまで、豊作や増収増産などの朗報しか報道していないと指摘した。趙氏は、中国の関係部門に対して、中国人民が海外メディアの取材を受けることに対して、脅かしたり制約したりしないよう求めている同時、海外メディア報道関係者は中国に関連する報道を行う際、外国専門家の意見だけではなく、中国人民の声や意見を多く取り入れるべきだと主張した。
少し前に米国を訪問した元「中国海洋報」のツァン愛宗・記者は、「海外メディアは一般的に客観的な報道が多く、特に主流メディアがそうだ。1つの事件が発生した時に、いろんな角度から事件を観察し、できるだけ当事者と連絡を取り、詳しく取材しているのだ。海外メディアの中で、個別の報道が正確さに欠けることに対して、すぐさま中国を敵視しているという指摘は正しくない」との意見を述べた。同氏は、中国国内で報道されないのは、「監視統制が厳重すぎるからだ」と指摘した。
ツァン記者は、中共政権は本来、海外メディアの中国国内での活動を制約する必要はないと指摘、報道された内容が真実であれば、認めてあげればよいし、真実でなければ、法律に則り制約すればよいとの見解を示した。ツァン記者は、2008年オリンピックが開始すれば、外国記者が大量に中国入りし、多くの中国人があらゆる方法で外国人記者に連絡を取ろうとすることから、当局の監視とコントロールは事実不可能であり、莫大な経費もかかるため、その必要性はないと主張した。