広東省珠海デルタ農地:4割が重金属汚染、大都市へ流れる毒野菜

【大紀元日本12月29日】中国国家環境保護総局が実施した土壌調査の結果によると、広東省珠海デルタ附近の農地の40%が重金属汚染されているという。汚染の程度は基準値を超えており、このうち10%が深刻な超過となっている。また、珠海デルタに位置する中山市においては重金属汚染の野菜が発見されており、これらの野菜は、広州、マカオなどの大都市で販売されている。

香港「文匯報」(18日)の報道によると、珠海デルタ農地の重金属汚染の状況はかなり深刻であり、特に中山市は、土壌に含まれるカドミウム、ニッケル、銅の基準超過率がそれぞれ、50%、43%、10・9%となっている。

中山市疾病予防控制センターは、当市自由市場において取引される野菜についてサンプル調査を行い、重金属の汚染度が深刻な基準超過であることを明らかにした。このうち、水銀の基準超過率は45・5%、鉛の基準超過率は9・9%であった。

更に大きな問題は、中山市において発見された、こうした大量の有毒重金属を含む野菜が、広州、マカオを含む珠海デルタの各大都市で販売されていたことであり、中には、広東省附近の他の省で販売されているものもあった。

重金属を含む野菜を食べると、その重金属が人体に蓄積され、多くの疾病を引き起こす。

例えば、鉛は、唾液とともに消化系統に流入し、その後、血液に流入する。児童の体内に、こうした毒素が少量でも存在すると、身体、知力の発育に影響を及ぼし、多くの発育上の疾病を引き起こす。

カドミウムは、一定量が蓄積されるとがんを誘発する恐れがある。

水銀は、水銀中毒を引き起こし、頭痛、口臭、咳、胸の痛み、呼吸困難、ひいては腎臓にダメージを与える。

このほかにも、水俣病、イタイイタイ病などの多くの奇病は、いずれも重金属と関係があり、症状が深刻な者は死に到る。

中山市農業部の責任者の指摘によると、重金属の基準超過の原因は多岐にわたっている。珠海デルタは、経済が発展し、工場が林立していることから、排出される重金属廃棄物が比較的多い。珠海デルタは、河口に位置していることから、重金属が容易に堆積される。このため、土壌に含まれる重金属の超過基準の問題が突出する。

この責任者はまた、中国の多くの大都市においても、重金属による土壌汚染問題が存在していると語っていた。

報道によると、中山市坦洲、三郷等の地にある野菜栽培地区は、一見、緑が映えているが、実際には問題がある。例えば、野菜農家の王氏の畑は、2つの用水路に隣接している。一つの水路は比較的澄んでいるが、もう一つの水路は、多くのゴミが堆積しており、水は鉄さびのような赤色で、水面に油の層が附着している。王氏や、附近の野菜販売業者は、何が重金属であるかをまったく知らず、ひいては、「重金属」の3文字すら聞いたことがないような状況であった。

問題はこれほどまでに深刻であるが、この問題に対する中山市農業部門の回答は、「3年ほど準備し、金属汚染を根本から解決する」であった。

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