中国四川:土地強制収用問題で大規模衝突
【大紀元日本10月22日】10月20日午前11時30分ごろ(北京時間)、自貢市紅旗郷大岩村の農民が警察と再び衝突が起きた。地元当局は、200人の警察を出動し、建築施工を阻止する農民達に対して暴力を振るい、強制連行した。情報筋によると、十数人が逮捕され、数人がけがを負い病院へ運ばれたという。
目撃者によると、20日午前、当局が強制収用した農民の土地開発現場で、施工業者側が工事に着手しようとした時に、たちまち200人ほどの農民が集まり、工事を阻止した。通報を受けた警察は、数十台の車にて約200人が現場に駆けつけた。のち、地元政府職員および施工主が現場に到着してから、道路を封鎖し戒厳した。目撃者によると、集まった人数は最多千人もいたという。
情報筋によると、施工業者側が、先にコンクリートやレンガなどで農民を殴り、衝突を引き起こしたという。しかし、到着した警察および政府職員は、農民が殴打されているのを無視し、反対に仲裁しようとする農民を逮捕したという。
公告(村民提供)
戒厳(村民提供)
弟、甥および嫁の3人の逮捕が確認された高齢の俣氏(88)は、解放前の時代を経験しているが、もっとも暗黒で残虐な時代は今であるとし、人民の生活難を嘆いた。
事件の一部始終を語る老婆(村民提供)
紅旗郷大岩村(村民提供
1993年、自貢市政府当局は「高度新技術産業開発区」を建築する目的で農民の土地を強制的に収用した上、補償金も着服した。3万人の農民はそのために、生計のあてがなくなった。農民達は正当な権益および土地を守るために、法律に則り、地元政府当局や北京当局へ十数年間も訴え続けた。
農民を代表して当局に対して何度も公開書簡を送った劉正有氏によると、農民達は2003年に6度にわたる抗議をしたが、200人余りが当局に逮捕され、24人が勾留され、10数人が警察に殴打されて身体障害者となり、4人が死亡したという。さらに、政府職員が自ら数人を率い、劉氏の3階建ての自宅を爆破させ、劉氏の財産を没収したという。劉氏は、当時医者へ行く金がなく、病死した農民は20数人もいたと痛嘆した。
強制収用された土地に建築されたマンション(村民提供)
また、2006年3月、地元当局は又も土地開発のために、自貢市の白果村の土地を緊急収用し、村民が猛烈に反対した。6月23日、当局は50数人の警察を派遣して強制的に収用された土地を守ろうとする村民たちを追い出した。さらに、現場写真を撮ろうとした村民代表・黄樹明氏が顔面腫れあがり、下半身が赤く浮腫み、全身傷だらけになるまで警察らにひどく殴打され、病院へ運ばれた。しかし、当局は黄氏医療費の支払いを拒否したため、黄氏は病院側に追い出されたという。
情報筋によると、地元当局は6月30日に、200人あまりの武装警察を派遣し、現場に居合わした70歳代の老婦、妊婦、婦人を乱打し、村民代表、妊婦、障害者を含む7人を逮捕した。7月下旬、当局がさらに暴力団を買収し、何度も村民に対して脅迫をし、強制収用した土地の基礎工事を行ったという。
自貢市土地収用の件を十数年間携わって来た農民代表・劉正有氏は、中国共産(中共)党の言葉を信じないとし、中共は、弱小勢力より必ず官僚側を選択し、人民の味方には永遠にならないと強調した。四川省自貢市当局が非合法的に農民の土地を強制収用し、暴利をむさぼり、人権を踏みにじる典型的な事件は、関係者によりすでに国連人権委員会へ報告され、国連より強い関心が寄せられている。