「これ以上本意を偽ることはできない」―中国エリート科学者が難民申請
【大紀元日本10月2日】中国大陸でエリート待遇を受けていた科学者が、当局の迫害や洗脳によって一時は放棄した法輪功の修煉を見つめ直し、「これ以上自らの本意を偽ることはできない」として地位や名誉などすべてを捨てて日本に難民申請した。米国でも今年8月に、東方航空の機長が米ロサンゼルスで亡命申請した。8年目に入った法輪功迫害は臓器狩りという残酷の極みに達しているが、法輪功によって心身の健康を取り戻した大陸の民衆の間に、迫害により拷問や洗脳で不本意ながら法輪功を放棄させられたことを悔いる者も多いという。法輪功関連のサイト「明慧ネット」では、心ならずも法輪功を放棄する署名を当局から強要されたが、再び修煉する決意を実名で発表する「厳正声明」を受け付けており、自らが受けた苦しい拷問や洗脳事実を打ち明け、自らの良心に背いた悔恨を吐露し、再び修煉の決意をあらたにするする者が、2000年6月26日からの累計で34万3083人にものぼるという。
中国の放射線研究専門家の李旭彤博士(44)は2006年9月22日、日本政府に難民申請を提出した。博士は9月24日、東京霞関にある司法記者クラブで記者会見を開き、難民申請の経緯を語った。記者会見には、二年前に難民申請した楊貴遠氏も同席した。楊氏も中国では病理学博士として軍事大学で教鞭を執り将来が保障されていた。
李博士は中国国家環境保護局核安全センターの教授を務めるいわばエリート。学術論文50篇余りを発表し、科学研究における国家レベルや省レベルの表彰を四度も受
日本政府に難民申請した李博士(大紀元)
賞したことがある。
博士は幼少から体が弱く病気がちだった。慢性肝炎やその他の幾つかの病気を抱え、生きていくのがつらいと思ったという。1996年から法輪功と出逢い、真・善・忍を目指す気功「法輪功」の修煉を始めたところ、効果があらわれ心身ともに健康になった。
中国大陸の民衆の多くに健康をもたらした気功が、1999年7月20日を境に中国共産党(中共)政権から、いかなる理由で残酷な迫害を受けるのか、博士にとっては理解しがたいことだった。
2002年9月、博士は近所の法輪功修煉者に居合わせたことを理由に、北京市海淀区留置所と団河強制労働収容所に収容され、通算19ヶ月に及んだ。釈放された後、また国家機関労働委員会が組織するいわゆる「洗脳班」に押し込まれ、強制洗脳されたという。
李博士は記者会見で「私は法輪功学習者であり、19ヶ月間強制収容所に入れられました。この19ヶ月間に、当局はでっち上げた嘘偽りを私に強制的に認めさせると同時に、法輪功を放棄させるため、継続的に精神的および肉体的に苦痛を与えたのです。釈放された後の2年間も、勤務先の党組織や法輪功を迫害する専門の組織である「610弁公室」から厳密に監視され、警察からの妨害も絶えませんでした。真・善・忍を人生の価値観とする法輪功学習者である私は、過去4年間、周囲の嘘偽り、騙しを不本意にも見聞きしながら、自らの本当の思いや考えを公に表現することはできず、常に監視されているという脅迫の下で、屈辱的にいわゆる『洗脳』を強いられてきたのです」と自らの迫害体験について説明した。
李博士は最後に「私はここで、日本の国民に対し、中共による法輪功への迫害に注目し、やめさせるよう強く呼びかけたい。人類の普遍的な道徳原則である真・善・忍を提唱する法輪功を注目し支持することは、人類の美しい未来を共に支持することなのです」と呼びかけた。
記者会見では、李博士はかつて2回に亘り日本へ来る機会があったと明らかにした。18年前、日本へ研修に来たとき、日本の同僚たちに、もし希望があれば、期限満了後も引き続き日本で研究するよう誘われたが、李博士は期限満了後、帰国した。博士はかつてアメリカ、イタリアなど各地で研究や視察をした経験もあったが、外国で居住することは考えもしなかったという。今回、日本で難民申請を提出することで、卓越な業績を残した仕事や家族から離れることは大変苦痛なことであるが、自分の信念を放棄するよう、受けた精神的肉体的な苦痛に比べると、ほかに選択肢はなかったという。
記者会見時、すでに日本で難民申請したもう1人の法輪功学習者の楊貴遠氏が同席した。楊氏は広州第一軍医大学で病理生理学の博士号を取得、長春軍需大学で教鞭を執っていた。楊氏も法輪功を堅持したため、教職を追われた。その後、迫害から逃げるため、広州へ行ったが、そこで強制労働収容生活を2年間送り、信じがたい残酷な迫害を受け、親族を頼りに2004年に来日した。日本政府から居住を認められ、人道的な支援を受けている。
楊博士は自らが受けた迫害と中共による法輪功学習者生体からの臓器狩りについて言及し、日本政府は中共による人権迫害を公に非難するよう呼びかけた。