ワシントンDC:共産主義の犠牲者追悼記念碑、着工

【大紀元日本10月1日】「共産主義の犠牲者に捧げる記念碑」の建設は9月27日、米ワシントンで着工した。これに対して、ワシントン・タイムズは社説を発表し、記念碑の建設は20年間も遅れたが、人々は共産党政権に迫害された億単位以上の犠牲者を永久に記憶するのであろうと述べた。

共産主義被害者記念基金会が主催する記念碑の工事開始式典は27日に開かれ、前共産主義国家に赴任したことのある米大使らおよび米議会議員多数が参加した。

レーガン元大統領が1987年に独ブランデンブルグ・ゲートで「ベルリンの壁を取り壊せ」の有名な演説を行ったが、来年がその20周年記念にあたることから、記念碑の工事は来年6月に完成させる予定を、基金会は式典後の記者会見で明らかにした。

ワシントン・タイムズの社説では、記念碑は、マサチューセッツ大通り、ニュージャージ大通りおよびワシントンGストリートが交差した場所に建設される予定で、自由の女神に似ている。これは、1989年の中国の学生運動時に、天安門広場に架設され、のち中共の戦車に潰された「民主女神」を複製したもの。

社説では、共産党政権は2千万人のソ連人民、8千万人の中国人民、数百万人の東南アジアの人々を殺害したとし、さらに全体主義国家のキューバおよび北朝鮮の無数の人民も殺害されたことを指摘した上、世界がかろうじて共産主義がもたらした恐怖を認めるのに20年もかかったのは何故かと質問を投げかけた。

一方、基金会のエドワード会長は、「記念碑建設の準備は多くの困難を克服し、15年という長い過程を経ても、実現させようとする理由は、過去の1世紀において、1億人が共産党統治下の犠牲者となったこと。また、現在でも世界の5分の1の人口が選択の余地がなく、共産党統治下で生活している。我々は彼たちのことを人々に知ってもらい、世界中のすべての人が自ら選択した政府および体制の下で自由に生活ができるまで、絶えず関心を寄せなければならない」と強調した。

共和党下院議員ロラバク氏は、記念碑として民主自由女神の彫像がもっとも相応しいとし、共産主義専制統治下の中国を表すように、中国人民が共産主義専制の統治を完全に脱却したときこそ、記念碑の完成と言えようと述べた。台湾駐米経済文化処の代表・李大維氏は、中国共産党は一日も早く世界から淘汰されることが、すべての人々の願いであるとし、記念碑の建設は重大な意義を持っているとの見解を示した。

ワシントン・タイムズは少し前に、基金会はインターネットでのグローバル・バーチャル・ミュージアムの建設を準備し、ベルリン、ブルガリアおよびポーランド等の連携をを考えていると報じた。一旦、インターネット上のミュージアムの連携が成功すれば、基金会はさらに大型の共産主義犠牲者博物館の建設を考えているという。

(記者・王魯魯)
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