中国:上海市党書記・陳良宇解任、前主席派閥の落日か

【大紀元日本9月26日】上海社会保障基金の不正使用や贈収賄の汚職事件に絡む疑惑などで、中国共産党(中共)中央当局は25日、党上海市委員会の良宇書記(党中央政治局員)を解任した。1995年に陳希同・北京市党委書記が失脚した事件以来の政治局員の免職であり、江沢民前国家主席が率いる上海派閥がついに落日を迎える前兆であるとみられる。

新華ネットの報道によると、中共中央当局は25日午前、上海市委員会の陳良宇書記解任を決定、上海市長の韓正を代理書記に任命した。報道によると、陳氏は上海市社会保障基金から実業家への不正融資や贈収賄の汚職事件に絡み、企業トップ層に便宜を図り、周辺スタッフの違法問題を隠匿し、親族のために不当利益を追究するなどの深刻な法律違反問題があるため、中央規律検査委員会が立件調査を行うという。

また、上海の区、局レベル以上の幹部は、パスポートと香港・マカオへの通行証は統一管理するために返納するよう要求された。副市長レベル以上の幹部は、海外に出る際、中央規律検査委員会と中央組織部に報告して審査を受けることが義務付けられた。

8月に同市社会保障基金から32億元(約480億円)に上る実業家への不正融資や贈収賄の汚職事件が表面化した。この事件で上海市労働社会保障局長が解任され、宝山区長も党規律検査部門の調査対象となったことが公式に発表された。不正融資を受けた実業家や地元大型国有企業の経営者たちも調査を受けている。改革・開放政策が始まって以来、同市では最大級の汚職事件。

江沢民前総書記が率いる上海派閥に属する陳良宇氏は、胡錦濤が国家主席に就任した2003年以来、更迭された最上層の政府官員。政治局員の関係者が絡む汚職の摘発は、1995年に江主席(当時)の政敵、陳希同北京市党委書記が失脚した事件以降初めて。今回の突然の解任は、来年秋の第17回共産党大会で、胡錦濤主席が次期指導部人事に向け、江沢民勢力を駆逐する動きであると見られている。 

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