中国建設部:各都市で、水質汚染が深刻化

【大紀元日本9月15日】中国建設部副部長・仇保興氏は12日、北京第5回世界水大会で、中国全土の河川の90%が汚染されていると発表した。仇氏は、水源の欠乏と無秩序な開発のため、水質環境は全体的に低下しており、河川の枯渇や湿地の減少など水辺の生態系退化現象も中国各都市で見られると指摘した。中新社が報じた。

情報筋によると、現在年間平均で300以上の都市が水不足の問題を抱え、深刻な状況に陥っている都市は110に上るという。また、人口が百万人以上ある32の大都市の中で、30の都市が長期にわたる深刻な水不足に直面しているという。

仇氏によると、中国の都市では年間約200億トンの工業廃水および未処理の生活廃水が直接河川へ排出されており、中国都市を流れるすべての河川の90%が汚染されている。多くの地区では、河川の枯渇や汚染が見られ、湿地が消えている。また、地下水も減少し、中国近海では赤潮が頻発しているという。

中国都市部の水質汚染対策はいまだに遅れており、2005年末において、全国で278の都市に汚水処理場がない。また、30数ヵ所の都市では少なくとも50以上の汚水処理場の運行率が30%未満、または運行していない。都市部から出るゴミの処理も基準に達しておらず、都市の水質汚染を悪化させているといわれている。

仇氏は、「中国では工業化および大規模な都市化が少なくとも30年間持続すると言われており、従って大量の水源の需要が予想される。中国は多くの水質汚染に直面しており、これから30年間は、中国都市にとって、水供給および汚水処理のもっとも困難な時期に当たる」と指摘した。

情報筋によると、建設部は新しい都市の水質供給基準制定に参画しており、水質の検査測定項目を現在の35項目から103項目まで増やしたという。また、有機汚染物、水質の改善、工業廃水による突発性汚染、農村地区の飲み水における安全など問題も現れたことから、頒布される予定の国家飲用水衛生基準の見直しも行われているという。

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