中国:国内の社会矛盾が激化、民間団体の統制を強化
【大紀元日本9月4日】8月31日、情報筋によると中国共産党(中共)政府は、公開および秘密手段にて中国国内の非政府組織に対する統制を強化したという。中国問題専門家は、中共が非政府系組織に対する統制の強化は、中国国内の社会矛盾が激化した現れであると指摘した。また、中国国内では、西側社会と同様の独立非政府系組織は存在していないことに言及した。
財務の審査、外資系非政府系組織の職員と面談
ロイター通信社およびAP通信社の情報によると、中共当局はこのほど、中国国内の非政府系組織に対する統制は、昨年の12月から始まったという。特に外国より資金援助を受けている組織を含み、各組織の資金の出所の調査を行い、労働者と農民の間に影響力および組織力のある非政府系民間組織に特に重点を置いているという。
中国国内の非政府系組織の発展動向を追跡する専門誌である北京の「中国発展通信」誌の創始者兼編集長・高揚氏は、現在国内で登録している非政府系の民間組織は約3000団体があり、その内の約3分の1、すなわち、1000以上の団体が海外からの資金援助を受けているという。中共当局は、これらの団体に対して、重点的に調査を行ったという。
高氏によると、財務審査の方法以外に、非政府系組織で働く中国人職員は、中共国家安全特別工作員による面接などの調査を受けていると指摘し、彼らは調査内容は漏洩してはならないと警告まで受けているという。
調査は以前からすで行われている
中国体制改革総合研究室主任、副研究員を歴任し、中国全国人民代表大会常務委員会事務所研究室および中国経済体制改革研究所に勤めた政治評論家・程暁農氏は、インタビューに対して、中共政府による非政府系の民間組織の活動に対する統制は、以前からすでにあったとし、現在の状況は統制した事実を公開しただけであると指摘した。
程氏は「中共国家安全部は、渉外活動に対する監視統制を公開した。中国国内にいる外国機構、記者、大使館、企業、留学生、それに非営利機構を含み、すべてに対して統制をしている。中共は厳密な監視統制制度をもっている。内情を知る者は、今回の非営利機構に対する監視調査行動については意外なことではない…」と語った。外国の非営利機構で勤める一部の中国人職員は、安全部へ仕事内容の報告を強要されているという。
厳重な統制は何のため
程氏は、中国社会の富の両極化はすでに顕著に現れており、危険な状態に達しているとし、中共当局は激化する国内の社会矛盾をコントロールする自信に欠けることから、厳重な強化措置を取ったとの見解を示した。同氏はさらに、実際、中国には西側社会が意味する非政府系組織は存在していないと指摘した。同氏は、「中国国内の民間団体登録法規では、民間団体の自由発展を禁止し、すべての民間機構は登録する際、必ず政府機構を通じてから、初めて登録ができる。その上、政府機構より派遣される上層部指導者を受け入れなければならないと明確に記している」と語った。
革命を防ぐため
「中国発展通信」の高氏によると、旧ソ連地区のウクライナ、グルジアおよびギルギスタン(ギルギス共和国)などでは、近年において非政府系組織による社会変革運動が相次いで出現したことから、中共自身も独裁統治が同様な脅威を受けると考えたため、政治革命が中国で起きないように、国内の非政府系組織の統制を強化したと分析した。
脅かしの効果
報道によると、中共当局が非政府系組織に対して実施した統制措置は、これらの組織の間に脅かしの効果が現れたという。中共当局はさらに、非政府系組織の登録を中止したという。大部分の国内非政府系組織は当局の統制に対して、指示された「自律」および「自己の整理」を実施し、活動も控えたという。