米FRB政策の今後の焦点、投資家の見方分かれる=メリルリンチ調査

15日公表されたメリルリンチ調査によると、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑制と経済成長のどちらに焦点を当てていくかについて、投資家の見方が分かれた。

ファンドマネジャーを対象とした調査で、回答者154人のうち33%が、FRBは経済減速リスクに配慮していくとした。一方、27%はインフレ上昇リスクに配慮していくと答え、37%が両リスクに同等に対応するとの見方を示した。

8日の連邦公開市場委員会(FOMC)声明の内容と一致するかのような調査結果になった。声明では、物価圧力はやがて緩和する可能性が高いと述べる一方、依然として物価上昇リスクは存在するとし、今後の金融政策が指標が示すインフレと経済成長の動向次第という立場を示した。

ただメリルリンチ自体は、FRBが今の時期に最後の利上げを実施し、2007年1月に利下げを開始し、07年末時点のフェデラルファンド(FF)金利が4.0%になるという見通しを示している。

同社の北米経済エコノミスト、デビッド・ローゼンバーグ氏は通信回線を通じた会合で、「FRBは今年の利上げは既に終えたと考える。これまでの傾向からみて最低4回利上げを維持した後、次の動きとしてFRBが利下げを実施する確率は100%」と話した。

グリーンスパン前FRB議長の後任として就任して以来、バーナンキ議長と金融市場との関係が不安定になることもあった。しかし今回のメリル調査では、大半のファンドマネジャーが、バーナンキ議長のもとで金融引き締め観測が一段と強まったとは考えていない状況が示された。

議長がグリーンスパン前議長であると想定した場合と比較して、一段の金利高を予想しない割合が57%だったのに対し、予想する割合が24%、20%が不明と回答した。

FRBが明確なインフレ目標を採用すべきかどうかについては、採用すべきと回答した割合が47%、すべきでないが37%、16%が分からないと回答した。[ロンドン 15日 ロイター] 

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