中国東方航空機長、米国に亡命

【大紀元日本8月11日】中国上海東方航空公司のベテラン・パイロットが9日、中国に帰国後、中国共産党(中共)政権からの迫害を受けることを恐れ、搭乗勤務で米ロサンゼルス国際空港に到着後米国に政治避難を求めた。亡命申請したのは袁勝機長(39)で、飛行機が出発地の上海を離陸する前に、職員に中国共産党(中共)からの脱党運動と法輪功迫害などの状況を伝えたところ、この職員が警察に通報、一時的に勾留された経緯があったが、フライトの時間が差し迫っていたため、連行されずに済んだという。

袁氏は記者会見で発生経過を語った。8日午後2時過ぎ、乗客313人を乗せた中国東方航空公司MU583便の離陸直前に、同氏は警察に拘束された。理由は、同氏が空港職員に書籍「九評(共産党についての九つの論評、以下九評)」を紹介し、中国共産党からの脱党を勧めたためであるという。「九評」は2004年11月、大紀元時報新聞社が発表した連載社説で、中国共産党が結党からこれまでに犯してきた暴虐の歴史を明らかにしたもの。

同氏は、ロサンゼルスから上海間の飛行担当者。その日は離陸するまでに時間の余裕があったので、飛行機の点検を手伝っている際、側にいた職員の言葉のなまりから、同郷の者だと分かり打ち解けあい、大紀元時報の社説「九評」を紹介し、中共からの脱党を勧めたという。ところが、その後、雑談した相手は4人の警察を連れてきて、自分の搭乗を阻止した。同氏が警察と揉めている間に、さらに多くの警察が現れ、同氏の身分証明書を取り上げ、連行しようとしたが、まもなく担当便の離陸時間になった。機長がいないと離陸できないため、乗務員および地上勤務職員らは警察に対して、同氏の連行を中止するよう強く求めた。結局、飛行機は1時間遅れで出発した。

袁氏は8年間法輪功の修煉をしており、人々に共産党が法輪功を迫害しているのは間違いであり、共産党の本質を伝える責任があるとの考えを示した。しかし、今回の件で、帰国後、中共による迫害を受ける可能性が極めて高いことから、再三考慮した上、中国にあるすべてのものを放棄し、亡命を決めたと心情を語った。

袁氏は1988年にパイロットとして上海東方航空公司に入社、現在に至る。18年間で計12,400時間の飛行経験があり、現在はA340-600型機の機長を務めている。妻と12歳の娘がいる。

袁氏は9日朝、上海の自宅に電話を入れた。袁氏によると、妻は突如の出来事で落胆しており、泣いていたという。電話は盗聴されているのを互いに知っているため、多くは話さなかったという。また、山東省にいる両親にどう伝えればよいのか苦悩しているという。

(記者・季媛)
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