英国:鍼灸が人気、大学で鍼灸の学位も
【大紀元日本8月10日】鍼灸(はり・きゅう)治療を恐いと思う人は多いかもしれない。しかし、現在の西洋では鍼灸が1つの補助的医療方式として定着しつつある。
英紙ガーディアン7月26日の報道によると、リンカーン大学(Lincoln University)、サルフォード大学(University of Salford)、東ロンドン大学(East London University)では、鍼灸を含む補助的治療法のカリキュラムの設置が相次いでおり、鍼灸の学士学位も授与している。その他、ブライトン大学(Brighton)、ウェストミンスター大学(Westminster)、ミドルセックス大学(Middlesex )などでも、鍼灸を中国伝統の治療法、あるいは東洋医学の一部として授業を行なっている。
最近東ロンドン大学に導入された鍼灸の課程では、ワイルド(Charmian Wylde)氏が講義を担当している。彼女は熟練の鍼灸医師であると同時に中国の伝統医学の医師でもある。イギリスの病院では、鍼灸のような補助的医療方式がますます受け入れられるようになってきており、鍼灸医師の需要はさらに増大する傾向にある。
今後は、東ロンドン大学の医学関係の学生も中国医学と西洋医学の解剖学、生理学と病理学を同時に履修することができる。学生らは3年間の課程において、現地で実習する際、鍼灸で住民の病気を治療する機会が与えられている。鍼灸課程が開設されると、多数の高卒者と学生から関心が集まった。鍼灸課程への応募者の中には、針灸とまったく関係ない仕事に携わっている人もいた。ワイルド氏は「私は、ある銀行投資家から、この課程を履修したいという電話を受け取ったことがある。鍼灸の課程は、彼が今まで従事してきたこととまったく異なっており、とても新鮮な感じを与えたのだろう」と語った。
イギリスの医療サービス部門は、鍼灸専攻の大学卒業生に多くの雇用の機会を提供しているが、卒業生の多数は自分の診療所を開くことを希望している。鍼灸は西洋医療より費用が安いため、この治療法を希望する患者は増加し続けると思われる。ワイルド氏は、鍼灸に関する教育と就業の両方を規定する立法案が今後数年の内に通ると予測している。