7月米自動車販売は米メーカーが大幅減、小型車人気でアジア勢快走
1日に発表された7月の米国自動車販売では、米自動車メーカーの販売台数が大幅に減少した。販促キャンペーンで販売台数が伸びた前年同月との比較や、ガソリン価格高で大型トラックやSUVからのシフトがみられたことが背景。
燃料価格高と金利上昇の影響を受け、7月は小型乗用車に対する需要が高まり、トヨタ自動車やホンダをはじめとするアジア勢に有利な展開となった。
トヨタ自動車の7月の販売台数は前年比16%増となり、販売台数が前年比で急減したフォード・モーター
ホンダは前年比10%増、韓国の現代自動車は前年比6%増。
自動車業界幹部らは、7月の業界全体の販売台数が前年比で17─20%減少したとみている。05年7月は、従業員価格での販促キャンペーンを受け、販売台数が過去最高水準に近い数字となっていた。
ダイムラークライスラーのクライスラー部門は、季節調整前で前年比37%減と、予想以上の減少となった。
フォード・モーターは前年比34%減。高収益のトラック部門で44%の大幅減少となったことが響いた。
エドムンズ・ドット・コムのアナリストは「フォードとクライスラーの数字は極めて失望を誘うものだ。非常に劇的な減少だ」と述べた。
ゼネラル・モーターズ(GM)
業界全体の販売台数は7月単月で14.4%減の147万0164台。季節調整済み・年率では1697万台。
アナリストらは、季節調整済み・年率で1700万─1720万台と予想していた。
SUVの需要減退を受け、一部高級車メーカーも打撃を受けた。独ポルシェの全体の販売台数は前年比12%増となったものの、「カイエン」モデルの販売台数は前年比23%減となった。
対照的に、小型・準小型の新型モデルに人気が集まった。日産自動車は、新型「ヴァーサ」の7月の販売台数は2856台と、社内予想の2倍となったと発表した。同社の7月の全体の販売台数は前年比16%減。
日産自動車のバイス・プレジデント兼ジェネラル・マネジャーのブラッドショー氏は「セダンの売れ行きは好調だが、トラックは不調だった。燃料価格高の影響が出始めている」と語った。