米国防情報局:元ベテランアナリスト、中共への機密情報提供を認める
【大紀元日本6月30日】米国防情報局(DIA)の元関係者が、検察との司法取引の中で、「最高機密」を長期にわたり中共情報部員に提供していたことを認めた。
ワシントン・ポスト紙の6月23日の報道の中で、法廷文書と本案件を熟知する米司法関係者の匿名情報を引用、機密文書を取り扱うことができるセキュリティ・クリアランスを所持していた元分析員のロナルド・N.モンタペルト被告は(Ronald N. Montaperto)は、2004年まで、米国太平洋司令部研究センターで中国担当を務めるときに、犯罪行為があると認め、違法に国防情報を保存したことも含まれている」と報じた。
また、本案の事実関係を記す報告書の中で、「モンタペルト被告は、頻繁に中国大使館の軍事担当に、機密情報を含め中国に有利な情報を大量に提供したことを認めた」と書き記している。
米政府機構に22年間勤務していたモンタペルト被告は捜査官に、中国大使館の武官・楊啓明氏や于振和氏およびその他の幹部に提供した情報には、機密と最高機密に属する内容が含まれ、その詳細内容を覚えていないと供述した。
今回の司法取引の内容はアレキサンドリアの米国地方裁判所が21日に達成した協議書に含まれており、最高刑は25万ドルの罰金と10年の禁固刑。9月8日に最終判決が下される見通し。
米国防省のある幹部は、「中共にとって、モンタペルトの価値は、彼が提供する機密情報だけではなく、米国の内部運営情報も提供し、中共に米国を欺く方法を教え込んだ」と指摘した。あるベテラン情報部員は、「モンタペルトは正真正銘の中共スパイである」と述べた。
今年66歳のモンタペルト被告は、1981年から米国防情報局に勤務し始め、8年後に中央情報局に転属した。そのときから、彼は中共スパイではないかとの疑いが浮上した。1991年に行われた同被告に対する調査は、十分な証拠を見つからなかったため打ち切られた。
米国防情報局を離れた後、モンタペルト被告は米国防大学に勤務し、その後太平洋司令部に転属、2004年懲戒免職されるまでにシンクタンクの主任を務めた。
モンタペルト被告は、米国防情報局が授権した中共大使館幹部との連絡プロジェクトに参加したことがある。報告書には、同被告は安全規則の規定どおりに、中共幹部との連絡を報告しなかったと記録している。
2001年8月、米国政府はモンタペルト被告に対し、2回目の調査を始めた。結果、同被告の自宅から、機密文書が発見された。連邦調査局と海軍の犯罪捜査官は2003年7月から審査を始め、モンタペルト被告を中共と関連する情報プロジェクトに参加させ、その後、嘘発見器による検査を義務付けた。内容陳情書には、嘘発見器による検査前の取調べで、モンタペルトは、中共に情報を提供したことを自白したと記録している。
今回の法廷協議書は、モンタペルト被告に情況の報告を義務付け、外国情報部員との連絡を禁止した。ある米国政府関係者は「彼はすでにたくさんの情報を提供した」と話している。
米情報部幹部の報告書によれば、80年代後半、中共情報部員一人が米国に亡命した。この亡命者は、中共政権が米国政府内部で5-10人の情報スパイを発掘したと暴露し、その後、複数の米国情報部員が疑われ、モンタペルト被告はその中の1人だったという。