中国人女性記者・高瑜氏、国際メディア「勇気賞」に

【大紀元日本6月10日】政府の腐敗および報道の自由を強く主張し続けたために2度も監禁された中国ベテラン記者・高瑜氏(62)は、国際メディア団体より勇気賞が授与される。高記者は、同賞授与について、真実を報道する新聞関係者および人権擁護活動家たちの努力が認められたと同時に大きな励みになると喜びを表した。アジア自由ラジオが伝えた。

本部が米国ワシントンにある「国際女性メディア財団(IWMF)」が設けているライフタイム達成賞および勇気賞は、危険かつ困難を極まる環境の中で新聞の真実報道を行い、勇気および人格の傑出した女性ジャーナリストを表彰するものである。

高記者のほか、イラクで誘拐された米国フリーランス・ジャーナリストのジル・キャロルと、政治の黒幕を暴露したため爆弾で片手と片足を失ったジディヤク氏の2人に勇気賞が贈られる。また、今年のライフタイム達成賞の受賞者は、メキシコ記者兼作家のエレナ・ボニアトフスカ氏。受賞式典は、今年10月24日と11月2日にロサンゼルスにて行われる予定。

同財団の評議審査委員会ウドルフ委員長は、高記者は中国の政治および経済問題の報道が鋭く、身の危険とキャリアが断たされる危険を顧みず、懸命に言論の自由を勝ち取るために努力し、自由、民主および人権の信念のために多大な貢献を行ったと評した。

高記者は1995年にも同賞を1度授与されたが、当時は中共当局に監禁されていたため、受賞式典に参加できなかった。同氏は、今年の式典参加に当局からの阻止は予想しているものの、決してしり込みすることはないと参加することを強調した。

高記者は八九年の天安門広場民主化運動当時、民主化活動家が多数寄稿していた「北京経済学週報」の副編集長をしており、同週報発禁後は、香港の月刊誌・鏡報に特約記者として寄稿していた。1989年6月、同週報は粛正され、高氏は16ヶ月間監禁された。1993年6月、高記者は香港の報道メディアを通じて文章発表したため、同年十月、米国留学出発直前に「外国人に不法に国家機密を提供した」との容疑で逮捕され、「国家機密漏洩」の罪で6年の判決を言い渡された。1999年3月、同氏は外部病院にて治療のために釈放された。監禁期間中、国連の教育科学文化機関より「新聞自由賞」を受賞した。

「独立中文筆会」会長・劉暁波氏は、高記者は1980年代から新聞の自由報道に奮闘してきたため、牢獄につながれたと語った。しかし、中共当局は新聞の統制を強化しただけではなく、山西省のフリーランス・ジャーナリスト師濤氏、『中国産経新聞報』記者・陽小青氏等を含む真相を報道する多くの記者に対して報復手段として弾圧を行った。同氏は、国際社会はジャーナリストたちを認めるために表彰する以上に、中共当局に対して圧力をかけ、本当の新聞言論の自由を実現させるべきであるとの見解を述べた。

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。