【特別インタビュー】胡耀邦前国家主席の秘書、中共上層部における法輪功問題処理の内幕を

【大紀元日本5月20日】5月13日は世界法輪大法の日であり、法輪大法創始者・李洪志氏が同法を伝授してから今年で14年目にあたる。大紀元時報は、胡耀邦・前総書記の秘書・林牧氏を取材し、中共上層部および軍部による法輪功問題処理の内幕を探った。

林氏は、99年4月25日に1万人強が中南海に集まり、法輪功迫害を止めるよう平和的に請願したことについて、極めて合法的であると述べた。その後、当時の国家総理朱熔基が法輪功学習者と面会したことも非常に適切な対処だったとの考えを示した。江沢民が発動した法輪功に対する弾圧は、まったく理に適っておらず、学習者に対して強制的に法輪功から離脱させることは、荒唐無稽であると述べた。同氏は「多くの法輪功学習者が、残酷な迫害を受けても自己の信仰を終始堅持したことは、我々を感動させた」と語った。

記者:いつごろから法輪功のことを知っているのか?

林氏:私は気功をやらないが、全国に各種の気功組織があることくらいは知っている。法輪功のことを知ったのは、中南海へ1万人余りの請願者が集まったことがきっかけだ。しかし、法輪功の教義および活動内容はよく知らない。

記者: 4.25中南海事件をどう思うか?

林氏:当時、1万人余りの平和的請願は合法であり、違法ではないと考えた。その後、朱熔基氏が学習者達と面会したこともよかったと思う。朱氏は、政府がこれまで民衆の健康維持のために行った気功活動に干渉したことはないし、今後も干渉しないことを表明した。また、朱氏はその後、中共中央事務局および国務院事務局も同件について、朱氏の談話に賛同し、内容は通過したと発表した。

当時、我々は朱氏の対応は適切だったと評価した。

記者:なぜ、その後弾圧が起きたのか?

林氏:江沢民が表に出てきて、すべてをひっくり返したからだ。江氏は朱氏および政治局の人々が幼稚であると非難した。更に、同件によって国家政権に大きな危害を被ったとし、口頭および文章による指示を出した。その後、常任委員会による政治局会議を開き、江氏の個人的意見を強制的に通過させた。

記者:なぜ、江氏は中共中央事務局および国務院事務局が通過した朱氏の談話内容を覆したのか?

林氏:その通りだ。江氏は同問題の処理に関して、非常に理に適わないやり方だった。

記者:なぜ、江氏は同件が国家政権を脅かすと認識したのか?

林氏:彼らは皆そうだ。如何なる団体の活動も、彼の政権を脅かしていると思うのだ。数百人、数千人が平和的に請願するだけでも、彼の政権を脅かしていると思うのだ。

江沢民は、1万人の法輪功学習者が秩序よく平和的に請願するには、背後で大きな力がコントロールしているのに違いないと疑った。それで、江氏は恐怖を覚えた。まったく筋の通らない話だ。

記者:その他の指導者はどのような様子だったのか?

林氏:我々は、朱熔基氏が同事件をうまく処理したと評価している。李瑞環氏および胡錦濤氏は異なる意見を持っていたが、具体的な状況は分からない。当時、我々にはすでに政治的権力がなく、監視されている身だった。ただ異見があっても、それぞれは自分の意見を堅持しておらず、江沢民の意見に屈したと聞いている。おおよそこのような状況だ。

記者:法輪功学習者と接したことは?

林氏:たくさんある。法輪功に対する弾圧がエスカレートにするにつれて、打撃を受けた一部の人から法輪功の真相を聞いた。元々は、健康のために始めた一部の大学教授がいる。また、不治の病が法輪功で治ったから、信じるようになった人もいた。

一方、西北大学の副教授は、もともと共産党員で、共産主義を信仰していたが、途中から共産党に失望し、精神的な拠り所がなくなったと聞いた。また、彼は我々のような自由や民主を追い求めるのと違い、リスクのない真・善・忍を唱える法輪功を拠り所とするようになった。彼らは、法輪功に対する弾圧は、自由民主を唱えるものより深刻になるとは、思いもつかなかった。これが、大学教授たちの状況だ。

記者:法輪功を学んでいる大学教授の他に、異なる業界の友人はいるのか?

林氏:軍隊の幹部らは法輪功を学んでから、持病が治ったため、信じるようになったと聞いた。ある女性幹部は流産後、ひどい婦人病を患い、病院では治らなかったが、法輪功を学んでから病気が治ったと聞いた。彼女は法輪功を堅持したため、その後、軍部より除籍された。しかし、彼女はそれを不服とし、北京に抗議したが、強制的に連行され何年間も強制労働の刑に強いられた。彼女は西安におり、未だに法輪功を放棄していない。

記者:軍部の高官にも法輪功を学んでいる者がいるのか?

林氏:私の知っている限り、軍部の一部の高官も学んでいる。例えば、前山東省煙台軍区司令官、彼は少将だった。法輪功を学んだことで軍籍は保留されたが、党籍は除籍されたと聞いた。

記者:なぜ党籍は除籍されたのに、軍籍は保留しているのか?

林氏:軍部の中では、法輪功に対する処理は多少ゆるい。私が耳にしたのは、法輪功問題を処理する人達自身も理解していないのが主な原因だ。勿論、労農赤軍時代の古い幹部の中にも、法輪功を信仰し、学んでいる者がいる。

記者:中央一級幹部の中に、法輪功を学んでいる者はいるのか?

林氏:勿論いる。元政治局の常任委員、規律検査委員会の蔚健行書記は、汚職や腐敗関連の事件を取り締まり、非常に尽力している。彼の秘書は化学博士で、部課級の幹部として法輪功を信仰している。彼は内部文書で、法輪功は政権にとって有益で、害は一つもないとし、決して、政権を脅かすものではないと強調した。

彼のような人は少なくない。内部の意見書であるため、公開はしてないが、彼らに対しても刑罰は下されず、除名されただけだ。その他、政治局の多くの幹部家族も法輪功を学んでいる。

記者:友人の中で、法輪功に対する弾圧についてどんな意見があるのか?

林氏:例えば、中国科学院自然科学史研究所・近代物理史の上席研究員・許良英氏とも話し合ったことがある。我々は、法輪功についてよく知らないし、やったこともないが、信仰になるものは宗教の類に属することができると考えており、法輪功は、我々からしてみれば、宗教でなくても、準宗教であると考えている。

よって、信仰や宗教的な問題であれば、強制的なやり方はではダメだということだ。何故なら、これは精神領域にかかわる問題であり、強制的なやり方では、逆に人々の反感を買ってしまい、まったく効果はない。

また、何ズォ庥氏に関しては、彼は科学院の会員で、反法輪功の輿論をでっち上げた人物だ。何氏は羅幹氏と親戚関係にあり、両氏の妻は姉妹だ。彼は御用科学院の会員だ。何氏が卑劣で恥知らずであることは周知の事実で、本物の才能と身につけた学問は一切ない。

江沢民は暴力的手段を用いて、信仰を持つ者に対して法輪功から離脱させる拷問を行っており、これは荒唐無稽であり、無知な行為だ。信じるか信じないかは法輪功学習者自身が決めることである。

記者:現在、中共内部において法輪功に対する態度はどうか?

林氏:見解の相違がある。例えば、高智晟弁護士の問題に関しても異なる見方がある。高弁護士は法輪功のために弁護した。彼ら(中央幹部)の法律を破壊したと思われた時、すぐさま逮捕されるが、高弁護士は逮捕されていない。ならば、彼が摘発した問題を解決し、拷問等の酷刑を禁止すればよいと思うが、それも実行されていないということは、上層部での意見が分かれていることが分かる。実際に中共は、高弁護氏を監視および尾行する方法のみを取っている。従って、中共上層部では3種類の考え方に分かれていると分析できるだろう。

記者:それはどのような考え方か?

林氏:一つは、江沢民および羅幹のような元凶が持つ考え方だ。彼らは未だに、法輪功を弾圧し、取り締まることが正しいと思っている。同様の考えを持っている者は他にも一部の人間がいる。

もう一つは、法輪功に対する弾圧は正しくないと考えているが、法輪功を取り締まる際に反対もしなかった者。今になって、法輪功は全国人民代表大会を通じて邪教と定められたため、これらの者もその決定に同調し、非合法な悪事を働いた。例えば、最高人民裁判所が下した法律に対する解釈、それは違法的な解釈であるのだが。

例えば、「法輪功のために弁護することは反体制と見なす」という解釈は違法なやり方だ。彼らは、このやり方が正しくないと知りながら、対応は受身的で、これまでのことを覆そうともしない。結局、見て見ぬふりをすることになる。

記者:この類の代表は誰か?

林氏:胡錦濤はこの種類に入るだろう。彼は高弁護氏に対して抑圧もせず逮捕もしていない。

記者:では、もう一つの、異なる見方を持つ者は?

林氏:法輪功に対する弾圧を非常事態であると考える者。彼らは法輪功に対する誤った判決、または政治上の結論を改めさせたいだが、力も権力もないため、どうしようもない状態だ。

記者:それは誰か?

林氏:これはあくまでも推測なので、名指しは控えたい。但し、例えば当初の朱熔基氏、李瑞環氏等、彼らは法輪功を弾圧するのは正しくないことだと分かっている。しかし、反抗する勇気がないのだ。

記者:なぜ自分の意見を表す勇気がないのか?

林氏:これは中共の体制問題にかかわる。専制とは、個人の独裁および集団の独裁がある。毛沢東および_deng_小平の時代は、個人の独裁であり、江沢民も個人の独裁型だ。江沢民はすべての人を押し切って、法輪功を弾圧した。

しかし、集団の独裁も非常に恐ろしいものだ。例えば、民主国家の大統領および首相は民選されても、権力があり、最終的な決断を下すことは可能だ。しかし、過ちを犯せば、議会および民衆からの糾弾もできる。

集団専制下の大統領および首相は、民主国家の国家元首および政治首脳のような権力はなく、政治局常任委員にけん制および制約されており、いわゆる集団に制約されるという非常に恐ろしいものだ。この集団の構成員が全員、民主的になり、見識のある者になれば話は別だが、非常に難しいのだ。彼らは上部の指導者に抜擢され、任命されたことから、抜擢してくれた者の意に沿い、仕事をする。また、江沢民は、自由民主人権および法制を主張し堅持する者を決して抜擢しない。前期の指導者が次期の指導者を選定するのが慣例となっていることから、本当に開明的な有識者は選ばれない仕組みになっている。これこそが同体制の根本的な問題である。

また、縦のつながりがあっても、横のつながりのない「宝塔式」のような管理を取っていることも問題だ。例えば、個人は組織に服従し、少数が多数に服従し、下部は上部に服従し、全党は中央に服従する。個人がどんなに正しい考え、素晴らしい提案があっても、上部や中央に服従しなければならない。よって、上部や中央の決定が正しくなくても、全員はそれに従わなければならない、このような体制では、民主を実行することは到底できないだろう。

よって、今誰かが、法輪功の名誉を回復させようと思っても難しい。我々は、同専制体制をよく知っている。

記者:法輪功学習者に信仰を放棄させるために、洗脳班を含む各機関で、残酷な迫害を行っているが。

林氏:西安鉱冶学院(現西安科学技術大学)の副院長も当時、党籍を除名されても法輪功を放棄しなかった。しかし、彼は結局起訴もされなかった。当時、多くの人は保証書を書いても、本人の心の中では放棄はしていなかった。

記者:多くの法輪功学習者は堅く信仰を守った、ということか。

林氏:我々はそれに非常に感動させられた。彼らは、たとえ死んでも屈服しない。拷問を受けても、強制労働に強いられても屈服しない。信仰が人々に対してここまで影響する力があって、人をここまで支えることができるのだと考えさせられたし、法輪功に対する見方も変わらざるを得なかった。なぜこのような結果をもたらしたのか、人々は考えるようになるのだ。

江沢民が法輪功を弾圧したことは逆効果であり、弾圧がひどくなればなるほど、法輪功はますます発展し、ますます強くなる。

信仰は人間の素質をより完璧にすることができる。たとえば、苦しみに耐え、拷問に耐え、屈服しない精神がそうだ。

仏教およびキリスト教も同様に数百年間、抑圧された。特に、最初のころはひどく弾圧されたが、今や数十億人の信者をもつ主流の宗教となっている。

宗教は社会にとって必要不可欠であり、人間にとって、宗教は自覚的でソフトな制約であり、強制的な拘束ではない。宗教がなければ、または、宗教を信仰しない者は、いかなる悪事も働いてしまうだろう。

中共が人々に対して法輪功を禁ずるという観念は、根本的に変えなければならない。江沢民らは何も分かっていない。彼らは、信仰を持つ人が文明的ではないと考えているが、信仰をもたない人こそが野蛮人なのだ。

記者:もう少し、これについて説明をお願いする。

林氏:一般家庭では皆、宗教を信じている。宗教は人々のこころを浄化させ、崇高になり、無私にすることができる。他のものにこのような力はないだろう。

ニュートン、アインシュタインは偉大な科学者だが、彼らは最終的に宗教の道に入ったことが、もっともいい例だろう。

記者:しかし、今の社会でも一部の人が法輪功を理解しておらず、迷信だと考えている。

林氏:中国古来の針灸も以前では迷信だと言われていたが、効き目は確かにある。今は認められている。

三国時代に、華陀は曹操の脳に腫瘍を発見し、手術で腫瘍を取ろうとしたが、曹操は信じず、華陀を監獄に入れた。その後、華陀は獄中で死亡した。後、曹操は本当に脳の腫瘍で死亡したのだ。当時は手術で、腹や頭を切開することはすべて妖術と見なされていたが、現代ではごく普通のことになった。

記者:時間があれば、「転法輪」を読んでみたいと思うか?

林氏:読んでみたいと思う。我々も仏教やキリスト教を信じるから、より読みやすいと思う。中国国内では、依然として多くの人が法輪功を堅く守っており、放棄していないし、書物も比較的に容易に見つけられると思う。

(記者・林慧心)
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