大陸人権有識者ら、米議会で報告会、中国の希望は民衆にあると強調

【大紀元日本5月9日】中国の人権活動家らは5月3日、米議会の人権議員団や対中援助協会等団体の招請を受け、中国における宗教の自由、公民人権運動、法律制度および中国人権の近況について、議会で簡単な報告を行った。彼らは、米政府および米議会に対し、中国民間社会との交流を通じて、中国の民主発展を推進するよう呼びかけた。

VOAによると、作家・余杰氏、成都大学法学部・王怡教授、北京市の弁護士・李柏光氏および人権活動家・郭飛熊氏など、著名な人士ら一行は前日の2日、米国シンクタンク・ハドソン研究所で開催された「中国自由」と題されたトップ会談にも参加した。

余杰氏:胡錦濤に幻想を持つまい

余氏は、中国各都市内にある家庭教会の状況およびクリスチャンが受けた中共当局からの嫌がらせを報告した。同氏は、中国での宗教の自由および人権状況の改善を推進するよう、米政府やその他の団体に対して、協力を呼びかけた。

同氏は、「胡錦濤に対して如何なる幻想も抱いてはならない。米政府、議会およびメディア、各種民間NGO団体は、各種のルートと圧力を使い、中国の人権状況を改善してほしい」と語った。

同氏は、「しかし、ここ数年間、私が目にしたのは、米中間の貿易問題がより重要視され、ヤフーのような多くのインターネット企業が、中共の情報統制に協力し、中国の多くのネット作家が逮捕され監禁されてきたという現状だ。我々は、米議会が積極的に関連法案を通じて、中国で罪を犯すヤフーのような企業に対し、懲罰および制限を加えるよう呼びかける」と強調した。

同氏は、米国が未来において長期にわたる国家の安全を有したいならば、中国との貿易による目先の利益ばかり見てはならず、もっと中国の人権問題に関心を寄せるべきであるとし、民主の中国政府を築き上げるためのさらなる努力が必要であるとの見解を示した。

王怡氏:重点は民衆にあり、政府側ではない

王氏はここ2年間、中国国内で起きた人権運動から、より多くの中国国民が法的手段やインターネットなどの力によって、新たな民主化運動が推進されていると分析した。更に同氏は、これらの方法はもっとも理性的で、文明的なやり方であると述べた。しかし、同氏は中共当局が、人権活動家による集会や結社の自由を著しく制限していることを指摘し、自由社会の人々は、中共政府側に期待するのではなく、中国民衆社会の発展に期待するべきとした。

王氏は、「米国政府を含む多くの西側諸国は、中国民主化に向けた努力の一環として中共政府、司法関係者、裁判官、政府側専門家との交流を通じ、彼らを変えようと必要以上の時間を費やしてきた。これは、中国の知識層が20年前の考えであるということを示唆している。今日の中国知識層および民衆が行っている法治手段による中国民主転向型の努力がもし失敗すれば、中国にはもはや希望がなくなり、中国の存在は全世界にとって癌になるということだ」と語った。

郭飛熊氏:政府の民主改革は見せかけである

郭氏は、中国の民衆はある一定の経済の自由を享受しているが、新聞や出版物を発行する権利はなく、政治的自由もないことを指摘した。

郭氏は、昨年中国で起きた太石村事件を典型的なケースとして例に挙げた。この事件では、村民が村の執政職員を罷免したため、中央政府から地方政府まで3~5度にわたる暴力的弾圧が行われ、100人近い村民が逮捕され、数ヶ月間勾留された。同氏は、これは中国で起きた最も小さい民主活動であり、このような現象が中国の至るところで起きていると強調した。

また郭氏は、ここ数年間中共政府が各国に対して、漸進的な民主改革を推進していると宣伝しているが、すべてが偽りであると指摘し、「中共当局は、米国前カーター大統領を中国へ招き、見せかけの選挙現場を見せた。彼らは表面しか見ることができなかった。我々は中国の多くの地方で、多くの選挙関係者と接しており、彼らは、人大代表の基層選挙のすべてが偽りであり見せかけであると明かしている」と語った。

郭氏は、人権運動は政治的自由を獲得し、中国村長の選挙から一歩ずつ前へ推進し、郷鎮長および県長の選挙へ、更には全国の普通選挙まで推し進めなければならないと強調した。また、人々の宗教の自由、人権、財産権を守らなければならないとの考えを示した。

中国の民主に協力し、米国の未来を保障する

余杰氏は、記者の質問に対して、米政府および団体は幾つかの方法で中国の民主推進に協力することができると語った。同氏は、米カトリック教会は中共当局が統制している「愛国教会」と如何なる協力体制にもなってはならないとし、ヘルシンキ最終法案が東ヨーロッパの民主推進に非常に重要な作用をもたらしたように、米、日、豪もアジア版のヘルシンキ最終法案を立案し、中共政府に同法案の参加国として、国際公約による中国の民主化推進を行うことを提案した。

また、郭氏は記者のインタビューに対し、「米議会は米国人民の意志を代表しているのであり、米国人民がすでに世界各国の人権状況に関心を寄せていることから、米議会は中国の人権を推進するために、より多くの努力を払うべきである。我々は地球という村の中で、隣近所であり、今我々に助けの手を差し伸べることは、米国人民の未来へ投資するのに等しいのだ。今、中国人を救助することは、自分の子孫に投資することであり、子孫の未来安全のためになるのだ」と語った。

議員と会談

対中援助協会会長・傅希秋氏は記者の質問に対して、彼らはワシントンDCの訪問期間中、米議会中国事務議員団主席フブス氏、予算委員会のウォールフ議員等と会談を行うという。今回、ライス国務長官との会談はないという。

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