中国、第三次失業ブームの到来、未曾有の経済危機

【大紀元日本3月7日】中国大陸における生産能力の過剰は、大きな経済危機をもたらすのか?これは、中南海と世界経済界の大きな関心事である。香港の評論が指摘するところによると、中国においては第三次失業ブームが発生するとともに、その状況は未曾有のものになるという。

改革開放後の中国における第一次失業ブームは、農村に下った千万人もの知識青年が都市に戻って職を求めた時期に発生し、第二次の失業ブームは、90年代に始まった、億万もの国有企業労働者が下崗(一時帰休)した時期である。

香港「太陽報」の評論によると、現在の中国が抱える生産能力の過剰には、次のものが含まれている。発電能力の過剰について、2000もの発電所が存亡の危機に直面しており、銀行業界は既に、発電プロジェクトを高リスク産業と位置づけている。港湾貨物処理総トン数過剰能力は、将来30%以上も上昇する。鉄鋼の生産能力は、需要を1億2000万トン上回っている。アルミニウムの生産過剰は、4分の1に達している。鉄合金の生産過剰は半分を超えている。コークスの生産過剰は1億トンに達しており、自動車については、昨年において、既に200万台の生産過剰であった。懸念すべきことに、現在製造中の生産能力はさらに220万台分、将来製造を計画している生産能力は、800万台に達する。

評論の指摘によると、胡錦涛・温家宝体制は「人を基本とする(以人為本)」と強調しているが、生産能力の過剰について議論する時の焦点は、企業の利潤、破産、固定資産の再投資、経済の大低迷などであり、失業のピークが発生する可能性について、実際に関心が向けられることはあまりない。北京の学者・高輝清氏の指摘によると、第二次失業ブームにおいては、再就職ができない下崗労働者だけでも800万人近くいて、他の失業者を加えた失業人口は、少なくとも1300万人に達していた。

当時、失業人口の急増をもたらした原因は、表面的には、国有企業の大規模な合併、再編であったが、深層にあった原因は、1996年がちょうど経済成長サイクルの低迷期にあり、それ以前の数年間の成長期において固定資産投資が実施されてきたことである。高い生産能力が大量に稼動を開始し、市場需給の不均衡を生み出した。企業利潤は大幅に減少し、赤字企業の損失額が27・6倍増加した。この時期は、事実上、一次の生産能力の過剰現象が起きていた。

高氏によると、現在の経済状況は、おそらく当時よりも深刻であるという。2004年に経済がピークだった時期、市場の絶対多数の商品が供給過剰状態であったが、現在、生産能力はさらに増加したことで、その深刻さはこれまでにない状況になっているという。仮に、中国が、対外輸出の高い伸びを抑える政策を施行した場合、企業利潤の減少ペースや、失業の状況も未曾有のものとなる可能性がある。

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