香港:陳日君・司教、枢機卿に、中国の宗教事情改善に抱負
【大紀元日本2月23日】香港教区の陳日君・司教は22日、ローマ・カトリック教皇ベネディクト十六世により枢機卿に任命された。陳司教は今回の任命について、教皇が中国の宗教事情について関心を示していることの表れとし、バチカンと中国の関係改善に努めたいと抱負を語った。バチカンと中国の関係はいままで中共の宗教政策により影響されている。陳司教は政治改革などの問題について、香港特別行政区政府と中共政権を厳しく批判し、民主を支持し歯に衣着せぬ言論で有名。
カトリック教香港教区公署は2月22日、教皇の任命を公表し、任命儀式は3月24日バチカンで行うと発表した。枢機卿はカトリック教組織図のなかで、教皇に続くポストで、全世界で計183人いる、そのうちの110人は教皇を選出する権限を持っている。陳司教は今年74歳、今回の任命で6人目の華人枢機卿となり、香港教区では故・胡振中司教に続いて2人目である。
陳司教は民主を支持することで名を知られている。言論や宗教の自由を制限する「香港基本法23条」の立法に強く反対し、香港市民の抗議デモに信者の参加を呼びかけたり、香港市民が要求する民主選挙の政治改革などの問題について、香港特別行政区政府と中共政権を厳しく批判したりしてきた。
2000年10月、当時司教補佐だった陳司教は、新聞に文章を掲載し、中共駐香港事務局がカトリック教の内部事務に干渉し、宗教自由を妨害する行動を批判した。中共が愛国運動として宣伝している「義和団運動」ではカトリック教宣教師が虐殺されていたが、バチカンは彼らに名誉勲章を授与したため、中共政権は強く反対していた、このことについて陳司教は一貫してバチカンへの支持を訴え続け、そのため6年間中国入りを禁止された。
また、中国国内ではカトリック教の布教が厳しく規制され、地下教会は中共に迫害され続け、多くの信徒は逮捕勾留され、拷問を受けている。一方、バチカンも中共政権にコントロールされている「三自愛国教会」を承認していない。こうした冷え込んでいる状況のなか、香港のカトリック教関係者からは、今回の任命は香港が中国に返還された後はじめての抜擢であるため、こうした状況の改善に有益ではないかとみられている。